57歳の女性。5年前に閉経した。この1年で膀胱炎を3回繰り返し、性交のときの痛み…
57歳の女性。5年前に閉経した。この1年で膀胱炎を3回繰り返し、性交のときの痛みと腟の乾燥感も気になると受診した。内診では腟の粘膜が薄く、赤みを帯びている。これらの症状が起こる仕組みとして最も適切なのはどれか。
- ⑴ プロゲステロンが閉経後に増えて、腟の分泌物が過剰になる。閉経後にプロゲステロンは増えません。また本例は分泌物が減って乾燥しています。
- ⑵ 卵胞刺激ホルモンが減ったために、膀胱の筋肉が収縮しなくなる。閉経後に卵胞刺激ホルモンはむしろ上がります。膀胱炎の仕組みとも関係しません。
- ⑶ 副腎からのアンドロゲンが急に増えて、腟の粘膜が厚く硬くなる。本例では粘膜はむしろ薄くなっています。アンドロゲンが急に増えるのは閉経の変化ではありません。
- ⑷ エストロゲンが減って腟の上皮が薄くなり、腟を酸性に保つ乳酸桿菌も減る。エストロゲンの低下で腟と尿道の上皮が萎縮し、乳酸桿菌が減って腟の酸性が保てず、細菌が増えやすくなります。
- ⑸ 骨盤の骨量が減って、膀胱と腟が下に下がる。臓器が下がるのは骨盤底の筋肉や靱帯のゆるみによるものです。本例の粘膜の萎縮の説明にはなりません。
解説
エストロゲンが減って腟の上皮が薄くなり、腟を酸性に保つ乳酸桿菌も減ることが原因です。腟や尿道の上皮はエストロゲンの働きで厚く保たれています。閉経後にエストロゲンが減ると上皮が萎縮し、乾燥や性交痛が起こります。また上皮のグリコーゲンが減って乳酸桿菌が少なくなり、腟の酸性が保てなくなると細菌が増えやすく、膀胱炎を繰り返しやすくなります。
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