70歳の男性。2型糖尿病で入院中に、指示の10倍量のインスリンが誤って皮下注射さ…
70歳の男性。2型糖尿病で入院中に、指示の10倍量のインスリンが誤って皮下注射され、意識障害を伴う低血糖を起こした。ブドウ糖の静脈注射で意識は回復し、後遺症は残らない見込みである。担当医が本人と家族に対して行う対応として最も適切なのはどれか。
- ⑴ 誤って投与した事実と経過を速やかに説明し、謝罪したうえで今後の観察と対策を伝える。医療者の誤りで生じた事象は、事実を隠さず速やかに説明して謝罪することが信頼関係の基本になります。
- ⑵ 家族が動揺しないように、まず本人に伝え、家族への説明は退院後に回す。本人と家族の両方に誠実に説明します。家族への説明を先延ばしにする理由はありません。
- ⑶ 後遺症が残らないので、低血糖は病気による変動であったと説明する。原因を偽って説明するのは不誠実で、発覚したときに信頼を大きく損ないます。
- ⑷ 病院の調査が終わって結論が出るまでは、何が起きたかを伝えずにおく。分かっている事実は速やかに伝えるべきです。調査の結果は改めて報告します。
- ⑸ 注射を実施した看護師個人の誤りであることを強調し、病院としての責任には触れずに説明する。医療事故は組織全体の問題として扱い、個人の責任に押しつける説明はしません。
解説
誤って投与した事実と経過を速やかに説明し、謝罪したうえで今後の観察と対策を伝えるのが最も適切です。医療の過程で誤りが起きたときは、分かっている事実を隠さずに伝えることが、患者と家族の信頼を保つ基本です。原因を偽ったり調査の終了まで黙ったりすると、後で不信を招きます。また医療事故は個人だけでなく仕組みの問題としてとらえ、組織として再発防止に取り組みます。
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