62歳の男性。数日前から歩くとふらつき、右手で箸を使いにくくなった。診察で、右手…
62歳の男性。数日前から歩くとふらつき、右手で箸を使いにくくなった。診察で、右手の人差し指で自分の鼻と検者の指を交互に触れてもらうと、目標に近づくほど指が大きく揺れ、行き過ぎる。右手で手のひらと甲を素早く交互に返す動作もぎこちない。筋力と感覚は保たれている。障害が最も疑われる部位はどれか。
- ⑴ 左側の大脳の運動野運動野の障害では反対側の筋力低下が出ますが、この患者の筋力は保たれています。
- ⑵ 左側の小脳半球小脳の障害は同じ側に症状が出るため、左の小脳半球では左手に症状が出ます。
- ⑶ 左側の中脳の黒質黒質の障害では動作が遅く小さくなり、目標に近づくほど揺れる震えとは違います。
- ⑷ 右側の小脳半球小脳半球は同じ側の手足の動きを調整します。右の協調運動の障害は右の小脳半球を示します。
- ⑸ 右側の末梢の感覚神経感覚が保たれているため、感覚の障害による運動の乱れは考えにくい状態です。
解説
右側の小脳半球の障害が最も疑われます。小脳半球は同じ側の手足の動きの細かい調整を担っており、障害されると、目標に近づくほど指が揺れる企図振戦、目標を行き過ぎる測定障害、素早い交互の動きがぎこちなくなる反復拮抗運動不能が現れます。筋力や感覚は保たれるのが特徴です。大脳と違い、小脳の障害は同じ側に症状が出る点に注意します。
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