76歳の男性。慢性心不全で通院している。この1週間、夜間に横になると息苦しくなり…
76歳の男性。慢性心不全で通院している。この1週間、夜間に横になると息苦しくなり、上体を起こして座ると楽になるという。この患者が座った姿勢で息苦しさが和らぐ理由として最も適切なのはどれか。
- ⑴ 横隔膜が上に押し上げられ、肺の空気を吐き出す力が強まる。座ると横隔膜は下がり、肺が広がりやすくなります。説明が逆になっています。
- ⑵ 心臓が胸の前の方へ移動し、肺を圧迫しなくなる。心臓の位置の変化で息苦しさが取れるのではなく、血液の分布の変化が理由です。
- ⑶ 気管支が広がって空気の通りがよくなり、喘鳴が消える。座った姿勢で気管支が広がるわけではなく、主な理由は肺のうっ血の軽減です。
- ⑷ 下半身に血液がとどまり、心臓に戻る血液が減って肺のうっ血が軽くなる。座ると静脈還流が減り、うっ血した肺の血液量が減るため、呼吸が楽になります。
- ⑸ 首の血管が締めつけられ、脳への血流が増えて呼吸中枢が働く。姿勢で呼吸中枢の働きが高まることはなく、この症状の機序とは関係がありません。
解説
座ると下半身に血液がとどまり、心臓に戻る血液が減って肺のうっ血が軽くなるためです。左心不全では、横になると下肢から心臓へ戻る血液が増え、肺に血液がたまって息苦しくなります。上体を起こすと静脈還流が減り、横隔膜も下がって肺が広がりやすくなるため、呼吸が楽になります。この状態を起坐呼吸といい、心不全の悪化を示す大切な所見です。
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