研修医が、腹痛を訴えて受診した40歳の女性の腹部を触診しようとしたが、腹部に力が…
研修医が、腹痛を訴えて受診した40歳の女性の腹部を触診しようとしたが、腹部に力が入っていて、深い部分を触れることができない。患者に両膝を立ててもらったところ、腹壁がやわらかくなり、触診しやすくなった。この体位で触診しやすくなった理由として最も適切なのはどれか。
- ⑴ 腹膜の痛みを感じる神経がまひし、触れても痛みを感じなくなる。膝を立てても痛みの感じ方そのものが失われることはありません。
- ⑵ 腸の動きが活発になり、腸の内容物が下の方へ移動する。膝を立てても腸の動きは変わりません。触診しやすくなる理由にはなりません。
- ⑶ 横隔膜が上がって、肝臓と脾臓が肋骨の下から大きく出てくる。肝臓や脾臓を触れやすくするのは深く息を吸わせる方法で、膝を立てることとは関係しません。
- ⑷ 腹腔内の血流が増えて、腹部の臓器がやわらかくなる。体位で臓器そのものの硬さは変わりません。変わるのは腹壁の筋肉の緊張です。
- ⑸ 腹壁の筋肉の張りがゆるみ、深い部分まで手の圧が伝わる。両膝を立てると腹直筋などの緊張がとれて腹壁がゆるみ、深部の臓器や圧痛を確かめやすくなります。
解説
腹壁の筋肉の張りがゆるみ、腹部の深い部分まで手の圧が伝わりやすくなるためです。脚を伸ばした仰臥位では、腹直筋など腹壁の筋肉が引き伸ばされて緊張しやすく、深く触れることができません。両膝を立てると筋肉がゆるみ、深部の臓器の大きさや圧痛を確かめやすくなります。あわせて手を温め、痛みの少ない部分から静かに触れると、患者が力を抜きやすくなります。
当サービスが作成したオリジナル問題です。実際の試験問題ではありません。