62歳の男性。労作時の息切れで受診した。胸骨左縁の第3肋間付近で、拡張期のかすか…
62歳の男性。労作時の息切れで受診した。胸骨左縁の第3肋間付近で、拡張期のかすかな雑音が疑われたが、仰臥位でははっきりしない。大動脈弁からの逆流による雑音を聴き取りやすくするための体位として最も適切なのはどれか。
- ⑴ 体の左側を下にして横向きに寝てもらい、心尖部に聴診器を当てる。左側臥位は心尖部の低調な雑音、とくに僧帽弁狭窄の拡張期雑音を聴きやすくする体位です。
- ⑵ 仰向けのまま両足を高く挙げ、心臓に戻る血液を増やして聴く。下肢挙上で静脈還流を増やすと右心系の雑音などが強まりますが、大動脈弁逆流の聴取に通常用いる体位ではありません。
- ⑶ 立ち上がってもらい、深く息を吸い込んだところで止めてもらう。立位では静脈還流が減って多くの雑音は弱まり、吸気では肺が心臓を覆って音が聴きにくくなります。
- ⑷ 座った姿勢で上半身を前に傾け、息を吐いたところで止めてもらう。前傾座位で呼気を止めると心臓が胸壁に近づき、大動脈弁逆流の高調な拡張期雑音が聴き取りやすくなります。
- ⑸ うつ伏せになってもらい、背中側の肩甲骨の間に聴診器を当てる。背部からの聴診は呼吸音などの評価に用いるもので、大動脈弁逆流の雑音は前胸部で聴きます。
解説
座位で上半身を前に傾け、息を吐いて止めた状態で聴くのが最も適切です。大動脈弁逆流の雑音は、拡張期の初めに始まる高調で弱い漸減性の雑音で、胸骨左縁で聴かれます。前傾座位にすると心臓が前胸壁に近づき、呼気で止めると肺が心臓を覆わなくなるため、聴き取りやすくなります。左側臥位は、心尖部の低調な雑音、とくに僧帽弁狭窄の雑音を聴くときに用います。
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