84歳の男性。大腿骨頸部骨折の手術を受けて2日目の夜、急に落ち着かなくなり、点滴…
84歳の男性。大腿骨頸部骨折の手術を受けて2日目の夜、急に落ち着かなくなり、点滴を抜こうとし、「ここは家だ」と言い張るようになった。日中はうとうとしており、受け答えのはっきりする時間と混乱する時間がある。入院前の物忘れは軽度であった。担当医がまず行う対応として最も適切なのはどれか。
- ⑴ 精神疾患の発症と考え、精神科の閉鎖病棟への転棟を手配する。手術後の急な混乱は体の異常による意識障害が原因で、まず身体的な原因を探します。
- ⑵ 夜間に眠れていないので、ベンゾジアゼピン系の睡眠薬を追加する。高齢者ではこの種の睡眠薬がせん妄を悪化させることがあり、まず避けます。
- ⑶ 転落を防ぐため、ベッドに体幹を固定し、混乱が治まるまで続ける。身体の拘束はせん妄を悪化させることがあり、原因への対処より先に行うものではありません。
- ⑷ 認知症が進んだと判断し、認知症の進行を抑える薬を開始する。急に始まり日内で変動する経過は認知症の進行ではなく、せん妄の特徴です。
- ⑸ 脱水や感染、痛み、薬の影響など、原因となる体の異常を調べる。急に始まり変動する意識の混乱はせん妄で、まず原因となる体の異常や薬を探して取り除きます。
解説
脱水や感染、痛み、薬の影響など、原因となる体の異常を調べるのが最も適切です。急に始まり、1日の中で良くなったり悪くなったりする注意と意識の障害はせん妄で、高齢者の手術後に多くみられます。脱水、電解質異常、感染、低酸素、痛み、便秘、尿閉、薬などが引き金になるため、まずこれらを探して取り除きます。昼夜のリズムを整え、家族の面会を勧めるなど環境も整えます。
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