32歳の女性。2年前から、固い食べ物だけでなく水を飲んでも胸のあたりでつかえる感…
32歳の女性。2年前から、固い食べ物だけでなく水を飲んでも胸のあたりでつかえる感じがあり、食べたものが逆流することがある。症状は良くなったり悪くなったりを繰り返し、体重が少し減った。喫煙や飲酒はしない。食道の造影検査で、食道の下端が鳥のくちばしのように滑らかに細くなり、その上の食道が大きく広がっている。この症状が起こる仕組みとして最も適切なのはどれか。
- ⑴ 食道の粘膜から生じた癌が内腔を狭め、固い物から通りにくくなっている。癌では固形物から始まって徐々に進み、狭窄部の輪郭は不整になります。危険因子もありません。
- ⑵ 胃酸の逆流で食道が傷つき、治る過程で傷あとが縮んでいる。逆流による狭窄では胸やけが先行し、上の食道が大きく広がる像は典型的ではありません。
- ⑶ 脳の病気で、のどの筋を動かす神経が障害されている。神経の病気による嚥下障害はのどの段階でむせる形が多く、食道の造影像の変化とは異なります。
- ⑷ 鉄の不足で、のどの入り口に薄い膜ができている。鉄欠乏に伴う膜はのどの入り口付近にでき、食道の下端の変化とは異なります。
- ⑸ 食道の下端の筋が飲み込むときに緩まず、食道の動きも乱れている。若い人の固形物と液体の両方のつかえと、下端が滑らかに細く上が広がる像は食道アカラシアで、下部食道括約筋が弛緩しないためです。
解説
食道の下端の筋が飲み込むときに緩まず、食道の動きも乱れている食道アカラシアが最も考えられます。食道の神経の障害によって、下部食道括約筋が嚥下のときに緩まず、食道の蠕動も失われるため、固形物と液体の両方が通りにくくなり、つかえや逆流が起こります。食道造影で下端が鳥のくちばし状に滑らかに細くなり、上が拡張します。内視鏡で癌を除外し、筋を切開する治療やバルーンで広げる治療を行います。
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