64歳の男性。1か月前から頭痛があり、最近は左の手足の動きが悪くなり、物忘れも出…
64歳の男性。1か月前から頭痛があり、最近は左の手足の動きが悪くなり、物忘れも出てきた。症状は日ごとに進んでいる。頭部MRIで右前頭葉に、造影剤で周りが輪のように染まり、中心が染まらない腫瘍があり、周りに広いむくみがある。腫瘍は脳梁を通って反対側にも広がりかけている。最も考えられる腫瘍と、その特徴の組合せとして最も適切なのはどれか。
- ⑴ 脳の神経膠細胞から生じる悪性度の高い腫瘍で、手術後に放射線と化学療法を加える。高齢者の急速に進む症状、輪状に造影され中心に壊死を伴う腫瘍、脳梁を越える進展は膠芽腫の特徴で、手術と放射線・化学療法を組み合わせます。
- ⑵ 下垂体から生じる腫瘍で、視野の異常やホルモンの異常が主な症状となる。下垂体腺腫はトルコ鞍の部位に生じ、前頭葉の腫瘍とは異なります。
- ⑶ 脳を包む膜から生じる良性の腫瘍で、ゆっくり大きくなり経過を見ることが多い。髄膜腫は脳の外から圧迫する境界明瞭な腫瘍で、均一に造影され、急速に進む経過とは合いません。
- ⑷ 小児の小脳に多い腫瘍で、髄液を通って脊髄にも広がりやすい。髄芽腫は小児の小脳に多い腫瘍で、高齢者の前頭葉の腫瘍とは異なります。
- ⑸ 聴神経から生じる良性の腫瘍で、難聴や耳鳴りで発症する。聴神経鞘腫は小脳橋角部に生じ、難聴が初発症状となります。この患者の所見とは異なります。
解説
脳の神経膠細胞から生じる悪性度の高い腫瘍、つまり膠芽腫で、手術後に放射線と化学療法を加えるという組合せが最も適切です。膠芽腫は成人に最も多い悪性の脳腫瘍で、進行が速く、画像では中心に壊死を伴って周りが輪状に造影され、強いむくみを伴います。脳梁を越えて反対側に広がることもあります。できるだけ摘出したうえで、放射線療法と化学療法を行いますが、予後は厳しい腫瘍です。
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