78歳の女性。心房細動があるが、抗凝固薬は自己判断でやめていた。2時間前、突然、…
78歳の女性。心房細動があるが、抗凝固薬は自己判断でやめていた。2時間前、突然、右下肢に激しい痛みが出た。右下肢は膝から下が蒼白で冷たく、膝窩動脈と足背動脈の拍動を触れない。足先の感覚が鈍く、指を動かしにくい。最も適切な対応はどれか。
- ⑴ 歩行訓練を毎日行い、側副血行路が発達するのを待つ。運動療法は慢性の閉塞性動脈疾患の治療で、急性の閉塞には適しません。
- ⑵ ヘパリンを投与し、緊急に血栓を取り除く。心房細動による塞栓で急に起きた下肢の動脈閉塞で、感覚と運動の障害が出ており、抗凝固と速やかな血行再建が必要です。
- ⑶ 深部静脈血栓症と考え、弾性ストッキングを履かせる。蒼白、冷感、脈拍の消失は動脈の閉塞を示し、静脈の病気とは異なります。圧迫は虚血を悪化させます。
- ⑷ 痛み止めを内服させて、症状が自然に治まるのを待つ。鎮痛だけでは閉塞は解除されず、下肢の切断に至るおそれがあります。
- ⑸ 下肢を温めて血流を良くし、翌日の外来で再評価する。急性の動脈閉塞は時間がたつと下肢の壊死に至ります。温めるだけでは閉塞は解除されません。
解説
ヘパリンを投与し、緊急でカテーテルによる血栓の除去を行うのが最も適切です。心房細動のある人が抗凝固薬をやめると、心臓にできた血栓が流れて動脈を詰まらせることがあります。突然の激しい痛み、蒼白、冷感、脈拍の消失、感覚の低下、運動の麻痺がそろえば急性動脈閉塞で、時間がたつほど組織の壊死が進むため、抗凝固療法とともに速やかに血行再建を行います。
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