70 歳の男性。左足のこわばりを主訴に来院した。自宅近くの診療所にて糖尿病と高血…
70 歳の男性。左足のこわばりを主訴に来院した。自宅近くの診療所にて糖尿病と高血圧症で加療中。1 か月前から100 m 程度の歩行で、左足のこわばり及びつることを自覚したため受診した。喫煙は20 本/日を50 年間。意識は清明。身長178 cm、体重84 kg。体温36.3 ℃。脈拍68/分、整。血圧168/90mmHg。SpO2 96 %(room air)。頸静脈の怒張を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。両下肢に浮腫はない。左下肢に冷感を認める。左膝窩動脈、左足背動脈および左後脛骨動脈の拍動が減弱している。足関節上腕血圧比〈ABI〉で左側0.67、右側1.03 であった。左下肢の血管造影像(別冊No. 25)を別に示す。この患者への指導で適切でないのはどれか。
- ⑴ 「禁煙してください」喫煙は閉塞性動脈硬化症の最大の危険因子で、禁煙指導は適切です。
- ⑵ 「体重を減量してください」肥満の是正は危険因子管理として適切な指導です。
- ⑶ 「左足を冷やすようにしてください」冷却は血管収縮により虚血を悪化させるため、この指導が適切ではありません。
- ⑷ 「左足を傷つけないようにしてください」虚血肢では小さな傷から潰瘍・壊疽に進みやすく、適切な指導です。
- ⑸ 「歩行することで運動療法をしてください」歩行による運動療法は側副血行路の発達を促し、間欠性跛行の改善に有効です。
この問題は別冊の図版(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑶です。喫煙、糖尿病、高血圧を背景に、間欠性跛行、下肢の冷感、末梢動脈拍動の減弱、ABI 0.67の低下を認め、閉塞性動脈硬化症と考えられます。指導としては禁煙、減量を含む危険因子の管理、足の外傷や感染の予防(フットケア)、監視下を含む歩行による運動療法が重要です。患肢を冷やすと血管が収縮し血流がさらに低下するため、保温に努めるよう指導するのが適切です。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp240424-01.html)を加工して作成