68歳の男性。糖尿病性腎症による慢性腎臓病で通院中。1週前から尿量が減り、息苦し…
68歳の男性。糖尿病性腎症による慢性腎臓病で通院中。1週前から尿量が減り、息苦しさが強くなって救急搬送された。両肺に水泡音を聴取し、胸部エックス線写真で肺水腫を認める。利尿薬を静注しても尿は増えない。血清カリウム7.2 mEq/L、動脈血pH 7.16。最も適切な対応はどれか。
- ⑴ 脱水を補うため、生理食塩液を急速に大量に点滴して経過を見る。尿が出ない肺水腫の患者に大量の輸液を行うと、肺水腫がさらに悪化します。
- ⑵ 低たんぱく食に切り替え、食事療法で改善するのを待つ。食事療法は慢性期の管理です。命にかかわる電解質の異常と肺水腫には即効性のある治療が必要です。
- ⑶ 腎臓の機能を確かめるため、まず腎生検を行ってから方針を決める。生命の危険が迫る状態で、腎生検を先に行う意味はありません。まず緊急の治療を行います。
- ⑷ カリウムを吸着する薬を内服させ、翌週の外来で再検査する。吸着薬は効果が出るまで時間がかかり、致死的な高カリウム血症と肺水腫に対して翌週まで待つのは危険です。
- ⑸ 緊急に血液透析を行い、水分とカリウム、酸を取り除く。利尿薬に反応しない肺水腫、高度の高カリウム血症、重いアシドーシスがそろっており、緊急の血液透析が必要です。
解説
緊急に血液透析を行い、水分とカリウム、酸を取り除くのが最も適切です。腎不全の患者で、利尿薬に反応しない体液の過剰による肺水腫、治療に反応しない高カリウム血症、重い代謝性アシドーシス、尿毒症による症状がある場合は、緊急の血液透析の適応です。透析の準備の間には、カルシウム製剤の静注で心筋を保護し、グルコースとインスリンでカリウムを細胞内へ移すなどの処置を並行して行います。
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