84歳の女性。脳梗塞の後で嚥下障害があり、経鼻胃管から栄養剤を注入することになっ…
84歳の女性。脳梗塞の後で嚥下障害があり、経鼻胃管から栄養剤を注入することになった。研修医が経鼻胃管を挿入した。栄養剤の注入を始める前に、胃管の先端の位置を確かめる方法として最も確実なのはどれか。
- ⑴ 患者がむせずに静かにしていることを確かめ、胃管が食道を通ったと判断する。嚥下障害や意識の低下がある患者では、気管に入ってもむせないことがあり、位置の確認にはなりません。
- ⑵ 胃管から空気を注入し、みぞおちに当てた聴診器で泡のような音を聴いて確かめる。気泡音は胃管が気管や食道にあっても聞こえることがあり、これだけで位置を確かめるのは不確実です。
- ⑶ エックス線写真を撮影し、胃管の先端が横隔膜より下の胃の中にあるかを確かめる。エックス線写真で先端が胃の中にあることを確かめるのが最も確実です。気管への誤挿入は重大な事故につながります。
- ⑷ 胃管の外側の端をコップの水につけ、泡が出てこないことを見て胃の中と判断する。泡が出ないことは胃にある証拠になりません。気管にあっても泡が出ないことがあります。
- ⑸ 少量の栄養剤を試しに注入してみて、咳き込まないことを見て胃の中と判断する。位置を確かめる前に栄養剤を入れると、気管に入っていた場合に重い肺炎を起こします。
解説
エックス線写真で胃管の先端が胃の中にあることを確かめるのが最も確実な方法です。経鼻胃管が誤って気管に入ったまま栄養剤を注入すると、重い肺炎や死亡につながります。嚥下障害のある高齢者では気管に入ってもむせないことがあり、気泡音の聴取だけでは位置を誤って判断することがあります。初回の挿入時は画像で確かめ、胃液の吸引なども組み合わせて確認します。
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