19歳の男性。身長182 cm、体重58 kg。授業中に座っていたところ、突然、…
19歳の男性。身長182 cm、体重58 kg。授業中に座っていたところ、突然、左胸の痛みと息苦しさが出たため受診した。左胸部で呼吸音が減弱し、打診では太鼓のような響く音がする。経皮的動脈血酸素飽和度は95%である。最も考えられる病態はどれか。
- ⑴ 気道が急に狭くなり、息を吐き出しにくい状態になった。喘息の発作では両側で呼気の喘鳴が聞こえ、片側だけ呼吸音が弱くなる所見とは合いません。
- ⑵ 肺の表面の小さな袋が破れ、胸腔に空気が漏れている。長身でやせ型の若年男性の突然の胸痛と呼吸困難、患側の呼吸音の減弱と鼓音は、自然気胸の典型的な所見です。
- ⑶ 肺胞に細菌が増えて炎症が起こり、肺の一部が固まった。肺炎では発熱や咳を伴い、打診は濁音になります。突然の発症と鼓音とは合いません。
- ⑷ 下肢の静脈にできた血栓が流れて肺の動脈を詰まらせた。肺血栓塞栓症では呼吸音や打診の左右差は目立たず、安静時の若年者に危険因子なく起こるのはまれです。
- ⑸ 心臓を包む膜に炎症が起こり、膜の間に液体がたまった。心膜炎では前かがみで軽くなる胸痛などが見られ、片側の呼吸音の減弱や鼓音は説明できません。
解説
肺の表面の小さな袋が破れて胸腔に空気が漏れた自然気胸が最も考えられます。自然気胸は、長身でやせ型の若い男性に多く、肺の表面にできたブレブやブラと呼ばれる袋が破れて起こります。突然の片側の胸痛と息苦しさがあり、患側では空気のために呼吸音が弱くなり、打診では響く鼓音になります。胸部エックス線写真で虚脱した肺を確認して診断します。
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