72歳の女性。5日前から右の胸から背中にかけてピリピリとした痛みがあり、2日前か…
72歳の女性。5日前から右の胸から背中にかけてピリピリとした痛みがあり、2日前から同じ範囲に赤い斑点と小さな水疱が帯のように並んで現れた。皮疹は体の正中線を越えていない。この皮疹の原因として最も適切なのはどれか。
- ⑴ 黄色ブドウ球菌の毒素で皮膚の表面がはがれやすくなった。細菌の毒素による皮膚の病変は神経の分布に沿って帯状に並ぶことはありません。
- ⑵ 口唇にひそんでいた単純ヘルペスウイルスが体に広がった。単純ヘルペスは口唇や陰部に小水疱の集まりを作るのが一般的で、胸から背中の帯状の分布は帯状疱疹に特徴的です。
- ⑶ 神経節にひそんでいた水痘のウイルスが再び活動を始めた。片側の神経の分布に沿った痛みと帯状の水疱は帯状疱疹の典型で、水痘・帯状疱疹ウイルスの再活性化で起こります。
- ⑷ 皮膚に触れた植物や金属に対して接触性の炎症が起きた。接触皮膚炎は触れた部位に一致して出るもので、神経に沿った痛みが先に出ることはありません。
- ⑸ 自分の皮膚に対する抗体ができ、表皮の下に水疱が生じた。自己免疫による水疱症は全身に広く水疱が生じ、片側の帯状の分布をとりません。
解説
神経節にひそんでいた水痘のウイルスが再び活動を始めたことが原因です。水痘・帯状疱疹ウイルスは、子どものころの水痘の後も感覚神経節にひそみ続け、加齢や免疫の低下で再活性化すると、その神経の支配する皮膚に沿って片側の帯状に痛みと水疱を生じます。これが帯状疱疹です。痛みが皮疹より先に出ることが多く、早期に抗ヘルペスウイルス薬で治療します。
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