70歳の男性。2週前からの息切れで受診した。右胸部の診察で、背部の下3分の1で打…
70歳の男性。2週前からの息切れで受診した。右胸部の診察で、背部の下3分の1で打診するとにぶい音がし、同じ部位で呼吸音が弱く、声を出してもらったときに手のひらに伝わる振動も弱い。左胸部に異常はない。これらの所見から最も考えられる右胸腔の状態はどれか。
- ⑴ 太い気管支が痰でふさがれかけている。痰による部分的な閉塞では断続性や連続性の副雑音が聞こえ、限局した打診の濁音とはなりにくいです。
- ⑵ 肺と胸壁の間に空気がたまっている。気胸では打診で鼓音となり、にぶい音にはなりません。
- ⑶ 肺胞が壊れて肺全体がふくらんでいる。肺気腫では過膨張により打診で過共鳴音となり、にぶい音にはなりません。
- ⑷ 肺と胸壁の間に液体がたまっている。打診で濁音、呼吸音の減弱、声音振盪の減弱がそろうのは胸水の典型的な所見です。液体が音と振動を遮ります。
- ⑸ 肺胞の中に炎症の滲出物が満ちている。肺炎で肺がつまって硬くなると、打診は濁音でも声音振盪はむしろ強まり、気管支呼吸音が聞こえます。
解説
肺と胸壁の間に液体がたまった胸水が最も考えられます。胸水がたまると、打診ではにぶい濁音となり、液体が音と振動を伝えにくくするため、呼吸音と声音振盪がともに弱くなります。肺炎で肺が固まった場合も打診は濁音ですが、声音振盪はむしろ強まります。気胸では鼓音、肺気腫では過共鳴音となり、にぶい音にはなりません。
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