警察から連絡を受けた姉が保健所へ相談に来た。翌日、姉と保健師でA さん宅を訪問す…
次の文を読み50、51 の問いに答えよ。A さん(52 歳、女性)。1人暮らし。5年前に仕事を解雇されて以降、自宅に引きこもっている。母親は2年前に他界し、その頃より「外出するとストーカーに追われる」「赤外線で狙われて怖い」と他県に住む姉に訴えるようになった。姉が受診を勧めたが「私は病気じゃない」と言う。A さんは、3日前に隣人宅に来た郵便配達員を見て「お前がストーカーだな」と隣人宅に怒鳴り込み、警察に通報された。
警察から連絡を受けた姉が保健所へ相談に来た。翌日、姉と保健師でA さん宅を訪問すると、A さんは「買い物や仕事を探しに行きたいが、ストーカーのせいで外出できない」「ストレスで眠れない」と話した。A さんへの保健師の声かけで、最も適切なのはどれか。
- ⑴ 「ストーカーは存在しないので安心してください」妄想を否定しても訂正されず、保健師への不信を招いて関係が断たれてしまいます。
- ⑵ 「眠れないことについて医師に相談しましょう」本人が困っている不眠を入口にすることで、受診への抵抗を減らしてつなげられます。
- ⑶ 「解雇された理由を振り返りましょう」解雇の振り返りは本人の苦痛を増すだけで、現在の困りごとへの対応になりません。
- ⑷ 「一緒にハローワークへ行きましょう」外出できない状態で就職活動を促すことは、現実的でも支援的でもありません。
- ⑸ 「お姉さんと一緒に暮らしましょう」同居の提案は生活の場を大きく変える話で、本人の訴えへの応答になっていません。
解説
正解は⑵です。妄想の内容を否定しても訂正はできず、信頼関係を損ないます。一方で、Aさん自身が困っていると訴えている「眠れない」という症状は、本人と保健師が一致して取り組める課題であり、ここを入口にすれば受診につなげやすくなります。解雇の振り返りや就労の提案、同居の提案は、いずれも本人の現在の苦痛に応えるものではなく、負担にもなります。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp210416-03_04_05.html)を加工して作成