2か月後、A さんの夫が市役所に来所し「親戚の家に行くと言っていた妻が隣町の図書…
次の文を読み52、53 の問いに答えよ。A さん(79 歳、女性)。夫(80 歳)と2人暮らし。腰痛があり2年前から整形外科に通院している。A さんは、市役所の高齢福祉課の窓口に朝から2時間以上座っていた。高齢福祉課のB 保健師がA さんに声をかけたところ、A さんは「何をしに来たか忘れた。どうしようかしら」と話した。B 保健師はA さんに了解を得て夫に迎えに来てもらい、夫から話を聞いた。夫はA さんについて「普段と変わった様子はなく、日々の生活で困っていることもない」と困惑した表情で話す。
2か月後、A さんの夫が市役所に来所し「親戚の家に行くと言っていた妻が隣町の図書館で発見されたこともあり、受診をしたら認知症と診断された。これからが不安だ」とB 保健師に話した。後日、地域ケア会議に出席したB 保健師は、A さんのケースを報告した。会議では、市内の認知症高齢者が増加しており、今後さらに、市民の認知症についての正しい知識の啓発と理解を促進し、地域で認知症高齢者や家族を支える必要性が共有された。市民の認知症への理解を深めるために保健師が実施することで適切なのはどれか。
- ⑴ 認知症専門の医療機関の誘致医療機関の誘致は診療体制の整備で、市民の理解を広げる取り組みではありません。
- ⑵ 認知症対応型通所介護の拡充通所介護の拡充はサービスの充実にあたり、啓発の取り組みではありません。
- ⑶ 認知症サポーター養成講座の講師養成講師を養成すれば講座を各地で繰り返し開け、啓発が地域に広がり続けます。
- ⑷ 介護予防事業対象者の把握のための基本チェックリストの普及基本チェックリストは介護予防の対象者を把握する道具で、啓発の手段ではありません。
解説
正解は⑶です。市民の認知症への理解を広げるには、認知症サポーター養成講座を各地で繰り返し開けるようにすることが有効で、そのためには講師役であるキャラバン・メイトを増やす必要があります。講師を養成すれば、保健師が直接関わらなくても啓発が地域に広がり続けます。医療機関の誘致やサービスの拡充は支援体制の整備、基本チェックリストは対象者の把握が目的です。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp200414-03_04_05.html)を加工して作成