使用方法の説明後、男児の母親から、今後の生活における注意点について質問があった。…
13 歳男児。体重 50 kg。エピペン注射液 0.3 mg(注) の処方が記載された処方箋を持って母親とともに薬局を訪れた。薬剤師が情報収集したところ、男児は昼食にうどんを食べた後、屋外の運動場でサッカーをしているときに倒れたとのことだった。倒れたのは運動開始 30 分後だった。緊急搬送後、適切な処置により症状は消失し、その後小麦による食物依存性運動誘発アナフィラキシーと診断され、エピペン注射液を処方された。注: 1 管2 mL、アドレナリンを2 mg 含有するプレフィルドシリンジ。1 回に 0.3 mL 注射される。なお、2 週間前にもパスタを食べた後にサッカーをしたところ、軽度のかゆみや発疹の症状があった。夜食にうどんやパスタを食べても異常はなく、空腹時にサッカーをしても異常はなかった。
使用方法の説明後、男児の母親から、今後の生活における注意点について質問があった。薬剤師が行う生活指導の内容として、適切なのはどれか。2つ選べ。
- ⑴ 運動は屋外を避け、屋内の体育館で行う。発症は食物摂取と運動の組み合わせで起こり、屋外か屋内かは関係しません。
- ⑵ 小麦を含む食品を摂取した場合は、食後の運動を避ける。小麦摂取後の運動で発症するため、摂取した場合は食後の運動を避けるよう指導するのは適切です。
- ⑶ 運動中、こまめに水分を補給することで発症を予防できる。水分補給によって食物依存性運動誘発アナフィラキシーを予防することはできません。
- ⑷ エピペン注射液を常時携帯させる。万一の発症時にすぐ使えるよう、エピペン注射液を常時携帯させることは適切です。
- ⑸ 食事は、小麦の完全除去が必要である。運動と組み合わせなければ症状は出ないため、通常は小麦の完全除去までは必要ありません。
解説
正解は⑵と⑷です。食物依存性運動誘発アナフィラキシーは、原因食物の摂取後に運動が加わることで発症し、食物摂取だけや運動だけでは起こりません。そのため小麦を含む食品を摂取した後は、少なくとも2時間程度は運動を避けるよう指導します。また万一の発症に備えて、エピペン注射液を常に携帯させることが重要です。運動の場所が屋外か屋内かは発症に関係せず、水分補給で予防することもできません。運動と組み合わせなければ症状はなく、小麦の完全除去は通常必要ありません。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198929.html)を加工して作成