56 歳男性。身長 163 cm、体重 58 kg。食道がん全摘出から5 日後の…
56 歳男性。身長 163 cm、体重 58 kg。食道がん全摘出から5 日後の栄養管理として、処方1 及び2 の薬剤が投与される予定である。(入院時の検査値)HbA1c 5.4%、空腹時血糖 101 mg/dL、血清クレアチニン 0.72 mg/dL、BUN 17.0 mg/dL、AST 19 IU/L、ALT 22 IU/L(処方1 )高カロリー輸液用アミノ酸・糖・電解質・総合ビタミン液(注 1)1 バッグ高カロリー輸液用微量元素製剤2 mL シリンジ 1 本1 日1 回 持続点滴 24 時間(注1 :1,500 mL 中にブドウ糖 180 g、総遊離アミノ酸 30 g が含まれる)(処方2 )20%静注用脂肪乳剤 100 mL(注 2) 1 バッグ1 日1 回 持続点滴 4 時間(注2 :100 mL 中に熱量が約 200 kcal 含まれる)この患者の担当薬剤師が、薬学実習生に対して、本症例に関する説明を行った。説明内容として、適切なのはどれか。2つ選べ。ただし、アミノ酸は 16%の窒素を含むものとする。
- ⑴ 処方1 の薬剤を投与する時は、輸液バッグを遮光カバーで被覆すること。総合ビタミンを含む高カロリー輸液はビタミンの光分解を防ぐため、遮光カバーで覆うのは適切です。
- ⑵ 処方2 の薬剤は 0.22 μm 孔径の輸液フィルターを使用して投与すること。脂肪乳剤の粒子は0.22 μmフィルターを通過しないため、フィルターを通さずに投与します。
- ⑶ 処方2 の薬剤は末梢静脈からの投与が可能であること。20%脂肪乳剤はほぼ等張で、末梢静脈からの投与が可能なため適切な説明です。
- ⑷ 非タンパク質カロリー/窒素比(NPC/N)が 400 程度に設定されていること。NPCは約920 kcal、窒素量は30 g×0.16=4.8 gでNPC/Nは約190となり、400程度ではありません。
- ⑸ 腎機能が低下しているため、アミノ酸の減量を担当医に提案する予定であること。血清クレアチニン0.72 mg/dL、BUN 17.0 mg/dLと腎機能は正常で、アミノ酸を減量する理由はありません。
解説
正解は⑴と⑶です。処方1は総合ビタミンを含む高カロリー輸液で、ビタミンB2やビタミンK、ビタミンAなどは光で分解されるため、投与中は遮光カバーで覆います。20%脂肪乳剤は浸透圧が血漿とほぼ等しく、末梢静脈からも投与できます。脂肪乳剤の粒子は0.22 μmのフィルターを通過できないため、フィルターを通さずに投与します。NPC/N比は(ブドウ糖180 g×4 kcal+脂肪200 kcal)÷(アミノ酸30 g×0.16)≒190で、400ではありません。腎機能も正常です。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198929.html)を加工して作成