処方2 の薬剤による治療開始時に、病院で薬剤師が患者に説明する内容として適切なの…
46 歳男性。消化性潰瘍の既往あり。高血圧症及び脂質異常症に対し処方1の薬剤による治療を行っている。先日、急に話しづらさを感じ、かかりつけ医の紹介で別の医療機関において画像検査を受けた結果、TIA(一過性脳虚血発作)と診断されて入院となり、処方2 の薬剤による治療が開始された。(処方1 )アムロジピン錠5 mg 1 回1 錠(1 日1 錠)ロスバスタチン錠5 mg 1 回1 錠(1 日1 錠)1 日1 回 朝食後 28 日分(処方2 )アスピリン腸溶錠 100 mg 1 回1 錠(1 日1 錠)1 日1 回 朝食後 3 日分(処方3 )アスピリン腸溶錠 100 mg 1 回1 錠(1 日1 錠)1 日1 回 朝食後 28 日分
処方2 の薬剤による治療開始時に、病院で薬剤師が患者に説明する内容として適切なのはどれか。2つ選べ。
- ⑴ この薬は TIA による後遺症の治療薬である。アスピリンはTIA後の脳梗塞発症を予防する抗血小板薬で、後遺症を治療する薬ではありません。
- ⑵ この薬の服用中は納豆の摂取を控える必要がある。納豆の摂取制限はビタミンKの影響を受けるワルファリンの場合で、アスピリンでは不要です。
- ⑶ 消化性潰瘍が再発することがある。アスピリンは胃粘膜のプロスタグランジン産生を抑えるため、消化性潰瘍の既往者では再発の可能性があり適切です。
- ⑷ この薬の服用中は発熱や頭痛が起こらない。低用量アスピリンは解熱鎮痛作用を期待する用量ではなく、発熱や頭痛が起こらないわけではありません。
- ⑸ 出血リスクがあるため、検査や手術等の際は服用中止が指示される場合がある。抗血小板作用で出血しやすくなるため、検査や手術時に休薬が指示される場合があり適切な説明です。
解説
正解は⑶と⑸です。低用量アスピリンはシクロオキシゲナーゼを不可逆的に阻害して血小板のトロンボキサンA2産生を抑える抗血小板薬で、TIA後の脳梗塞発症予防に用います。胃粘膜のプロスタグランジン産生も抑えるため、消化性潰瘍の既往がある患者では再発に注意が必要です。また出血リスクがあるため、検査や手術の際には医師から休薬を指示される場合があることを伝えます。後遺症の治療薬ではなく、納豆の制限はワルファリン服用時に必要なものです。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198929.html)を加工して作成