水質検査結果を基に、学校薬剤師がプールを管理している教員に対し助言する内容として…
7 月中旬に学校薬剤師が担当中学校の屋外プールの水質検査を実施した。採水時刻は午前 11 時、天候は晴れ、気温 29.5 ℃、水温 32 ℃であった。循環ろ過装置の運転は1 日当たり2 循環であり、消毒剤として塩素化イソシアヌル酸が自動注入されている。対象のプールの採水場所A、B、C給水口X、排水口Y上図のプール3 ケ所(A~C)で遊離残留塩素を測定したところ、全て 0.4 mg/Lであった。その他の検査結果は次のとおりだった。(検査結果)検 査 項 目 採水場所A 採水場所B 採水場所CpH 値 7.0 7.1 7.1濁 度(度) 0.94 0.78 0.89大 腸 菌 検出 不検出 不検出一般細菌(CFU/mL) 49 48 44
水質検査結果を基に、学校薬剤師がプールを管理している教員に対し助言する内容として、適切なのはどれか。2つ選べ。
- ⑴ 過マンガン酸カリウム消費量が多いほど、塩素消毒するとトリハロメタンの生成が抑制できる。有機物が多いほど塩素との反応でトリハロメタンの生成は増加します。抑制されるわけではありません。
- ⑵ 水質を改善するためにオーバーフローしないように注意しながら水を補給する。表面に浮く汚れを除くため、水の補給はオーバーフローさせながら行うのが望ましく、記述は不適切です。
- ⑶ 循環ろ過装置は、水に溶存する有機物を除去するために設置している。循環ろ過装置は主に濁りの原因となる浮遊物質を除くもので、溶存する有機物はほとんど除去できません。
- ⑷ 入泳者数の多さや入水前のシャワーの不足により、過マンガン酸カリウム消費量が多くなる。入泳者数の多さやシャワー不足で汗・皮脂などの有機物が持ち込まれ、消費量が増えるため適切な助言です。
- ⑸ 大腸菌が検出されているので、消毒剤を追加して水質の改善が確認できるまでは遊泳させない。学校環境衛生基準では大腸菌は検出されないこととされており、改善が確認できるまで遊泳させない判断は適切です。
この問題は問題の図(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑷と⑸です。過マンガン酸カリウム消費量は水中の有機物量の指標で、入泳者数が多いことや入水前のシャワー不足により、汗や皮脂などの有機物が持ち込まれると増加します。採水場所Aでは大腸菌が検出されており、学校環境衛生基準で大腸菌は検出されないこととされているため、消毒剤を追加して改善が確認できるまで遊泳を中止します。有機物が多いほど塩素消毒でトリハロメタンは増え、循環ろ過装置は主に濁りの原因となる浮遊物の除去を目的としています。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198929.html)を加工して作成