入院後、必要に応じて処方2 のインスリン投与量を調節し、血糖コントロールが良好と…
59 歳男性。身長 170 cm、体重 82 kg。会社の健康診断で血糖値が高いことを毎年指摘されていたが放置していた。2 年前に受診し、糖尿病治療薬が処方されたがほとんど服用せずに自己中断してしまった。最近になり、喉の渇き、頻尿、倦怠感が顕著となり、総合病院を受診した。空腹時血糖値が 350 mg/dL、HbA1c が10%を超過しており、主治医と相談の結果、7 日間の糖尿病教育入院となった。入院後、処方1 ~3 の薬剤が処方され、並行して食事・運動療法、インスリン自己注射、血糖自己測定法等の指導を受けた。(処方1 )インスリンデグルデク(遺伝子組換え)ペン型注射液 1 本1 回8 単位 1 日1 回 就寝前皮下注射(自己注射)(処方2 )インスリンアスパルト(遺伝子組換え)ペン型注射液 1 本1 回3 単位 1 日3 回 朝昼夕食直前皮下注射(自己注射)(処方3 )ビルダグリプチン錠 50 mg 1 回1 錠(1 日2 錠)1 日2 回 朝夕食後 7 日分
入院後、必要に応じて処方2 のインスリン投与量を調節し、血糖コントロールが良好となってきた。退院時指導において、本患者へ伝える内容として、誤っているのはどれか。1つ選べ。
- ⑴ 使用後の針は、そのまま中身の見えるビニール袋に入れ、自治体の決まりに従って廃棄すること。使用済み針は貫通しない硬い容器に入れ医療機関等で回収するのが原則で、ビニール袋に入れる指導は誤りのため正答です。
- ⑵ 血糖測定の数値は、自ら記録すること。血糖自己測定の値を記録することは治療評価とインスリン量調整に役立つ正しい指導であり、誤りではありません。
- ⑶ 低血糖症状の発現に備えて、ブドウ糖などを手元におくこと。インスリン治療では低血糖の危険があり、ブドウ糖を携帯するよう伝えるのは正しい指導で、誤りではありません。
- ⑷ 血糖コントロールが網膜症などの合併症予防に重要であること。良好な血糖コントロールは網膜症・腎症・神経障害などの合併症予防に重要であり、正しい内容です。
- ⑸ 風邪その他感染症などが原因で、血糖コントロールが不良となる可能性があること。感染症などのシックデイでは血糖が乱れやすく、その可能性を伝えておくのは正しい指導内容です。
解説
正解は⑴です。この問は誤っている内容を選ぶ問題です。使用済みの注射針は針刺し事故を防ぐため、ペットボトルなど針が貫通しない硬い容器に入れ、医療機関や薬局へ持参して廃棄するのが一般的です。中身の見えるビニール袋にそのまま入れるのは危険で誤りです。一方、血糖自己測定値の記録、低血糖時のブドウ糖の携帯、合併症予防のための血糖管理、シックデイ(感染症などによる血糖悪化)への注意は、いずれも退院時指導で伝えるべき正しい内容です。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198929.html)を加工して作成