この患者に対する指導として適切なのはどれか。2つ選べ。
58 歳男性。身長 174 cm、体重 82 kg。仕事が忙しくなってストレスがたまり、暴飲暴食で早食いとなった。最近、胸やけとともに、口の中に酸っぱい液体が上がってくる感じがすることから、相談のために薬局を訪れた。服用薬を確認したところ、近隣のドラッグストアで購入した酸化マグネシウムを服用していたが、症状は改善しなかったとのことであった。そこで、医療機関への受診を勧めた。近医にて内視鏡検査の結果、胃食道逆流症と診断され、以下の処方箋を持って再び薬局を訪れた。(処方)オメプラゾール錠 20 mg 1 回1 錠(1 日1 錠)1 日1 回 朝食後 14 日分
この患者に対する指導として適切なのはどれか。2つ選べ。
- ⑴ 胃で錠剤から成分が溶けだして胃粘膜に直接作用するので、即効性があります。腸溶錠で小腸から吸収され血流を介して壁細胞に作用します。胃で溶けて粘膜に直接作用する即効性の薬ではありません。
- ⑵ 本剤の成分は胃で分解されると効果が落ちるため、酸化マグネシウムを同時に服用してください。腸溶性製剤により胃での分解を防いでいます。酸化マグネシウムを同時服用すべき理由はなく、指導として不適切です。
- ⑶ 効果には個人差があるので、次回、効果について聞かせてください。CYP2C19の遺伝子多型などにより効果に個人差があるため、次回に効果を確認するのは適切な指導です。
- ⑷ 飲み忘れた時には、次に飲む時間が近い場合を除いて、気がついた時にできるだけ早く服用してください。1日1回服用の薬であり、次の服用時刻が近い場合を除き気づいた時に服用するという指導は適切です。
- ⑸ 炭酸飲料を積極的に飲むようにしてください。炭酸飲料は胃を膨満させ逆流症状を悪化させるおそれがあり、胃食道逆流症の患者に積極的に勧めるのは不適切です。
解説
正解は⑶と⑷です。オメプラゾールは酸に不安定なため腸溶性製剤とされ、小腸で吸収された後に胃壁細胞へ到達してプロトンポンプを阻害します。効果発現には数日かかり、効果には個人差(CYP2C19の遺伝子多型など)があるため、次回来局時に効果を確認する姿勢は適切です。飲み忘れ時は、次の服用時間が近い場合を除き気づいた時点で服用するよう伝えます。胃で溶けて直接作用するわけではなく、酸化マグネシウムや炭酸飲料の併用を勧める理由もありません。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198929.html)を加工して作成