この患者に対する服薬指導として適切なのはどれか。2つ選べ。
52 歳男性。4 月の定期健診で便潜血陽性と判定され、5 月上旬にA市立病院消化器外科を受診した。その結果、大腸がんの疑いで全大腸内視鏡検査を5 月下旬に受けることになった。検査の前処置を自宅で行うため前投薬として以下の処方1 及び2 の薬剤が処方され、薬剤師が服薬指導を行った。診療録より 10 年前から糖尿病でインスリンの自己皮下注射(1 回2 単位、1 日3 回食前)をしていることが分かった。(処方1 )ピコスルファート Na 経口液 0.75% 10 mL 1 回1 本1 本を検査前日の夕食後に服用(処方2 )ニフレック配合内用剤(注) 1 袋1 袋に水2 L を加えて溶解し、検査当日の7 時から1 L/h の速度で服用注:1 袋中、塩化ナトリウム 2.93 g、塩化カリウム 1.485 g、炭酸水素ナトリウム 3.37 g、無水硫酸ナトリウム 11.37 g、その他マクロゴール 4000(ポリエチレングリコール 4000)など数種類の添加剤を含む。
この患者に対する服薬指導として適切なのはどれか。2つ選べ。
- ⑴ 検査当日の朝は、インスリンを注射しないでください。検査当日の朝は絶食となるため、食前のインスリンを注射すると低血糖を起こすおそれがあり、注射を控えます。
- ⑵ 処方1 の薬剤を検査前日に飲み忘れた場合は、検査当日の起床時に服用してください。ピコスルファートは服用後7〜12時間で効果が現れるため、当日の起床時に服用しても検査に間に合わず、医療機関に相談する必要があります。
- ⑶ 2 L が飲みきれないと感じる場合は、処方2 の薬剤を溶解する水の量を半分にしてください。溶解する水を減らすと浸透圧が高くなり、脱水や電解質異常、洗浄不良の原因となるため、必ず2 Lで溶解します。
- ⑷ 処方2 の薬剤は必ず水で溶かしてください。ニフレックは水で溶かすと等張になるように設計されているため、必ず水で溶解して服用します。
- ⑸ 処方2 の薬剤は1 袋を1 時間で飲みきって構いません。ニフレックは1 L/時の速度で服用します。1袋(2 L)を1時間で飲むと、嘔吐や腸閉塞時の腸管穿孔などの危険があります。
解説
正解は⑴と⑷です。大腸内視鏡検査の当日は前処置のため朝食をとらないので、食前に注射するインスリンをいつも通り使用すると低血糖を起こすおそれがあり、当日朝の注射は控えるよう指導します。ニフレック配合内用剤は等張になるよう設計された腸管洗浄剤で、必ず水で溶かし、指示された2 Lで調製します。溶解量を減らすと浸透圧が変わり、脱水や電解質異常の原因となります。服用は1 L/時を目安とし、急いで飲むと嘔吐などを起こします。飲み忘れや当日の服用変更は自己判断せず相談します。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198929.html)を加工して作成