20 歳女性。3 ケ月前から動悸、発汗、手の振戦及び4 kg の体重減少を認めた…
20 歳女性。3 ケ月前から動悸、発汗、手の振戦及び4 kg の体重減少を認めた。近医を受診したところ、体温は 37.2 ℃ であり、均一で弾力性に富む甲状腺腫大を指摘された。血液検査では、遊離チロキシン(FT4)2.8 ng/dL であり、抗チログロブリン抗体が陽性であった。本症例で認められることが多い他の血液検査所見として適切なのはどれか。2つ選べ。
- ⑴ LDL コレステロール高値甲状腺機能亢進症ではLDL受容体の発現やコレステロールの代謝が亢進するため、LDLコレステロールは低値になります。
- ⑵ 甲状腺刺激ホルモン(TSH)高値バセドウ病では過剰な甲状腺ホルモンによる負のフィードバックで、TSHは低値になります。
- ⑶ クレアチンキナーゼ(CK)高値CK高値は甲状腺機能低下症でみられる所見で、甲状腺機能亢進症ではむしろ低値となります。
- ⑷ アルカリホスファターゼ(ALP)高値甲状腺ホルモン過剰により骨代謝回転が亢進するため、ALPが高値となることが多いです。
- ⑸ 抗 TSH 受容体抗体陽性バセドウ病は抗TSH受容体抗体が甲状腺を刺激して起こる疾患で、この抗体が陽性になります。
解説
正解は⑷と⑸です。若年女性で、動悸、発汗、手指振戦、体重減少、びまん性で弾力性のある甲状腺腫、FT4高値を認めることから、バセドウ病(グレーブス病)と考えられます。バセドウ病は抗TSH受容体抗体(TRAb)が甲状腺を刺激して起こるため、この抗体が陽性になります。また、甲状腺ホルモン過剰により骨代謝が亢進し、ALPが高値となることが多いです。甲状腺機能亢進症では、負のフィードバックによりTSHは低値となり、LDLコレステロールやCKは低値を示す傾向にあります。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198929.html)を加工して作成