下図に示すように、レボドパは、末梢で酵素Aが触媒する反応によってドパミンに、カテ…
68 歳男性。パーキンソン病及びうつ病の治療のため継続して薬剤を服用し、パーキンソン病の症状は軽快していたが、1 ケ月前より時間帯によって歩くことができたりできなかったりする症状が認められ、生活に支障をきたすようになった。薬の調節とリハビリテーションを行う目的で4 週間の入院となった。(入院時持参薬)レボドパ100 mg・カルビドパ配合錠ペルゴリドメシル酸塩錠250 μgパロキセチン錠20 mg
下図に示すように、レボドパは、末梢で酵素Aが触媒する反応によってドパミンに、カテコール-O-メチルトランスフェラーゼ(COMT)によるメチル化によって代謝物Bに変換される。以下の記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。ドパミン ― レボドパ ― 代謝物B酵素A COMT
- ⑴ レボドパは、ラセミ体である。レボドパはL-ドパ(S体)のみからなる光学活性体であり、ラセミ体ではありません。
- ⑵ 酵素Aによる反応は、アミノ基転移反応である。レボドパからドパミンへの変換は、カルボキシ基が外れる脱炭酸反応です。アミノ基転移反応ではありません。
- ⑶ 酵素Aによる反応は、ビタミンB6 に由来する補酵素によって促進される。芳香族L-アミノ酸脱炭酸酵素は、ビタミンB6由来のピリドキサールリン酸を補酵素として反応を進めます。
- ⑷ レボドパよりもドパミンの方が、脳内へ移行しやすい。ドパミンは血液脳関門を通過しにくく、レボドパはアミノ酸輸送体(LAT1)で脳内へ移行します。そのためレボドパが投与されます。
- ⑸ 代謝物Bは、レボドパ分子内のヒドロキシ基がメチル化されたものである。COMTはカテコール構造のヒドロキシ基(3位)をメチル化し、3-O-メチルドパを生成します。
この問題は問題の図(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑶と⑸です。レボドパは芳香族L-アミノ酸脱炭酸酵素(酵素A)による脱炭酸反応でドパミンになります。この酵素はビタミンB6に由来するピリドキサールリン酸を補酵素とします。COMTはカテコールの3位のヒドロキシ基をメチル化し、3-O-メチルドパ(代謝物B)を生成します。レボドパはL体のみからなる光学活性体で、ラセミ体ではありません。ドパミンは血液脳関門を通過できないため、脳内へ移行しやすいのはアミノ酸輸送体で運ばれるレボドパの方です。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198928.html)を加工して作成