66 歳男性。身長168 cm、体重57 kg。10 年前からアルコール性肝炎及…
66 歳男性。身長168 cm、体重57 kg。10 年前からアルコール性肝炎及び無症候性脳梗塞で病院に定期通院の中、前回の診察で逆流性食道炎と診断され、ファモチジンが処方された。前回より1 ケ月経過した今回の受診時においても、逆流性食道炎の症状が続いていた。以下に、直近の処方並びに前回、今回の検査結果及び患者からの聞き取り内容を示す。(処方1 )ウルソデオキシコール酸錠50 mg 1 回1 錠(1 日3 錠)1 日3 回 朝昼夕食後 14 日分(処方2 )チクロピジン塩酸塩錠100 mg 1 回2 錠(1 日2 錠)ニフェジピン徐放錠20 mg 1 回1 錠(1 日1 錠)バルサルタン錠80 mg 1 回1 錠(1 日1 錠)1 日1 回 朝食後 14 日分(処方3 )ファモチジン錠20 mg 1 回1 錠(1 日1 錠)1 日1 回 夕食後 14 日分(検査値)前回(1 ケ月前) 今回血圧mmHg 128/82 126/80血清アルブミンg/dL 3.2 3.4AST IU/dL 276 266ALT IU/dL 292 277総ビリルビンmg/dL 2.4 2.2アンモニア μg/dL 97 101血清クレアチニンmg/dL 1.1 1.0CCr mL/min 53.3 58.6白血球/μL 6,300 6,100赤血球 ×10⁴/μL 398 325血小板 ×10⁴/μL 15.8 4.5(聞き取り内容)・手足のむくみについては、自覚していますが悪化したとは思いません。・気がついたら青あざが出来ていました。検査値並びに聞き取り内容に基づくこの患者の最近1 ケ月間に関する担当薬剤師のアセスメントとして最も適切なのはどれか。1つ選べ。
- ⑴ ファモチジンによる血小板減少が疑われる。服用開始後1か月で血小板が急減し皮下出血が出ており、ファモチジンによる血小板減少が疑われます。
- ⑵ ウルソデオキシコール酸による肝機能改善が認められる。AST・ALTは高値のままほとんど変化しておらず、明らかな肝機能改善は認められません。
- ⑶ チクロピジンによる汎血球減少が疑われる。白血球数は保たれており汎血球減少ではなく、チクロピジンは長期服用中で今回の変化の原因とは考えにくいです。
- ⑷ ニフェジピンはCCr に基づいて10 mg に減量すべきである。ニフェジピンは主に肝臓で代謝され、CCrに基づいて減量する必要はありません。
- ⑸ バルサルタンによる横紋筋融解症が疑われる。筋肉痛やCK上昇などの所見がなく、バルサルタンによる横紋筋融解症を疑う根拠はありません。
解説
正解は⑴です。ファモチジンの服用を始めた1か月の間に、血小板数が15.8から4.5×10⁴/μLへ急激に減少し、青あざ(皮下出血)が出現しています。H2受容体拮抗薬のファモチジンは、副作用として血小板減少を起こすことが知られており、時期的にも最も疑わしい原因です。チクロピジンは10年来の服用で、白血球数も保たれているため汎血球減少とはいえません。肝機能検査値はほとんど変わらず、バルサルタンによる横紋筋融解症を示す所見もないと考えられます。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198926.html)を加工して作成