病院薬剤師の説明を受けて、患児及び患児の両親はバイオ後続品を使用することにした。…
13 歳男性。身長135 cm、体重40 kg。近隣の公立病院脳神経外科にて頭蓋咽頭腫の摘出術を受けたものの、血中下垂体ホルモン濃度の異常は改善せず、汎下垂体機能低下症と診断され、いくつかのホルモン補充療法の一つとして成長ホルモン補充療法を行うこととなった。処方医より「ソマトロピン(遺伝子組換え)製剤を使用したいが、患児及び患児の両親が先行バイオ医薬品とバイオ後続品(バイオシミラー)のどちらを選択するかを判断できるように説明してほしい。」との依頼を受け、病院薬剤師から先行バイオ医薬品とバイオ後続品の相違について説明を行うこととなった。
病院薬剤師の説明を受けて、患児及び患児の両親はバイオ後続品を使用することにした。この成長ホルモン製剤の説明として適切なのはどれか。2つ選べ。
- ⑴ 毎日通院の上、医師または看護師に注射してもらってください。ソマトロピン製剤は自己注射が可能で、自宅で毎日注射するのが一般的です。毎日通院する必要はありません。
- ⑵ 用量を決めるためにはお子さんの体重の情報が必須です。ソマトロピン製剤は体重あたりで投与量を設定するため、用量決定に体重の情報が必要です。
- ⑶ このお薬の使用中は、生ワクチンの接種はできません。ソマトロピン製剤は免疫抑制作用をもたないため、使用中に生ワクチンが接種できないわけではありません。
- ⑷ このお薬を始めることによって、夜尿症(おねしょ)になります。成長ホルモン製剤の使用で夜尿症になるという事実はありません。
- ⑸ 定期的に血糖やHbAlc の検査が必要となります。成長ホルモンは抗インスリン作用で血糖を上げるため、定期的に血糖やHbA1cを確認する必要があります。
解説
正解は⑵と⑸です。ソマトロピン製剤の投与量は体重あたりで設定されるため、体重の情報は用量決定に欠かせません。成長ホルモンはインスリンに拮抗して血糖値を上げる作用があるため、投与中は定期的に血糖やHbA1cを検査します。ソマトロピン製剤は通常、ペン型注入器などを用いて自宅で自己注射するもので、毎日通院する必要はありません。生ワクチンの接種が禁止される薬ではなく、夜尿症を起こすという説明も誤りです。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198926.html)を加工して作成