初回面談における処方1 の薬剤の服薬状況の確認時に、朝食後に飲む薬剤の数量が多い…
43 歳男性。妻38 歳、長男4 歳。フィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病のため大学病院血液内科にて化学療法中(シクロホスファミド、ビンクリスチン、ドキソルビシン、デキサメタゾン)である。また、化学療法に伴う副作用軽減のため、処方1 の薬剤を服用している。右眼に霧視が発現したため、近隣の眼科を受診した。網膜浮腫と周辺部の血管炎があり、大学病院眼科にて精査のため入院となった。化学療法実施中であり、眼底所見から、サイトメガロウイルス網膜炎と診断され、ガンシクロビル点滴静注600 mg/day の投与が開始された。(検査所見)白血球4,360/μL、好中球2,065/μL、リンパ球1,720/μL、好塩基球490/μL、CMV 抗体陽性、Hb 12 g/dL、右眼の矯正視力は今回受診時測定不能、左眼1.2、HbA1c 8.7%、CCr 61 mL/min(処方1 )オルメサルタン口腔内崩壊錠10 mg 1 回1 錠(1 日1 錠)フェブキソスタット錠20 mg 1 回3 錠(1 日3 錠)ラベプラゾールNa 錠10 mg 1 回1 錠(1 日1 錠)フルコナゾールカプセル100 mg 1 回1 個(1 日1 個)1 日1 回 朝食後眼内の炎症が改善したため、処方2 の薬剤の服用による治療となった。(処方2 )バルガンシクロビル錠450 mg 1 回2 錠(1 日4 錠)1 日2 回 朝夕食後 7 日分1 週間服用後、同一の内服薬を14 日分処方され、退院となった。
初回面談における処方1 の薬剤の服薬状況の確認時に、朝食後に飲む薬剤の数量が多いため、服用時間をずらして飲むことがあるとの申し出があった。病棟担当薬剤師によるバルガンシクロビル錠の服薬説明として、適切なのはどれか。2つ選べ。
- ⑴ 服用期間中は、抗真菌剤の服用を中止してください。フルコナゾールとの間に中止を要する相互作用はなく、抗真菌薬の服用を中止する必要はありません。
- ⑵ 食事の影響を受けるため、服用時間をずらさず食後30 分以内に服用してください。食後投与で吸収が増加するため、服用時間をずらさずに食後に服用する必要があります。
- ⑶ 服用期間中は、ワクチンの接種を避けてください。バルガンシクロビル自体にワクチン接種を避ける規定はなく、ワクチンの可否は化学療法の状況をふまえて判断します。
- ⑷ 服用期間中及び服用期間終了後、一定期間は避妊の必要があります。催奇形性や精子形成障害のおそれがあるため、服用中および終了後一定期間(男性は90日間)は避妊が必要です。
- ⑸ この薬を飲み忘れた場合、次回に4 錠服用してください。飲み忘れても2回分をまとめて服用すると骨髄抑制などの副作用が強く出るおそれがあり、不適切です。
解説
正解は⑵と⑷です。バルガンシクロビルは食後に服用すると吸収が高まり、空腹時より血中濃度が上がるため、食後に服用するよう指導し、服用時間をずらさないことが大切です。また動物実験で催奇形性や精子形成の障害が報告されているため、服用期間中および終了後一定期間(男性では90日間)は避妊が必要です。フルコナゾールとの間に中止を要する相互作用はなく、飲み忘れても2回分をまとめて飲まないよう指導します。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198926.html)を加工して作成