本症例で認められる血液検査所見として、正しいのはどれか。2つ選べ。
50 歳女性。5 年前に近医にて高血圧を指摘され、アムロジピン5 mg/日を服用していた。最近の血圧は155/95 mmHg 程度と高値が持続しており、頭痛や脱力を自覚し今回受診した。二次性高血圧が疑われたため、腹部CT 検査が実施されて左副腎に腫瘍を認めたが、血中コルチゾール値や血中カテコールアミン値の上昇は認めなかった。
本症例で認められる血液検査所見として、正しいのはどれか。2つ選べ。
- ⑴ カリウム低値アルドステロン過剰によりK⁺の尿中排泄が増え、カリウムは低値となります。脱力の原因にもなります。
- ⑵ カルシウム高値カルシウム高値は原発性副甲状腺機能亢進症などでみられる所見で、原発性アルドステロン症の特徴ではありません。
- ⑶ LDL コレステロール高値LDLコレステロール高値は甲状腺機能低下症や脂質異常症などでみられ、本症例に特徴的な所見ではありません。
- ⑷ 遊離チロキシン(FT4)高値FT4高値は甲状腺機能亢進症の所見で、副腎腫瘍による原発性アルドステロン症ではみられません。
- ⑸ レニン活性低値体液量が増加してレニン分泌が抑制されるため、レニン活性は低値となります。
解説
正解は⑴と⑸です。コルチゾールやカテコールアミンの上昇がなく、副腎腫瘍、治療抵抗性の高血圧、脱力がみられることから、原発性アルドステロン症が考えられます。副腎腺腫からアルドステロンが自律的に過剰分泌されるため、腎臓でのNa⁺再吸収とK⁺排泄が増え、低カリウム血症によって脱力などが起こります。また体液量の増加により、レニン・アンジオテンシン系が抑制されてレニン活性は低値になります。カルシウム、LDLコレステロール、FT4の高値は本症の特徴ではありません。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198926.html)を加工して作成