下図に示すFick の法則に従う細胞膜透過において、薬物の透過速度と反比例するの…
下図に示すFick の法則に従う細胞膜透過において、薬物の透過速度と反比例するのはどれか。1つ選べ。細胞外 細胞膜 細胞内C1CoutCout:細胞外溶液の薬物濃度C1 :細胞外溶液と接する面の膜中薬物濃度C2 C2 :細胞内溶液と接する面の膜中薬物濃度Cin Cin :細胞内溶液の薬物濃度薬物の濃度膜の厚さL
- ⑴ 膜の有効表面積膜の有効表面積が大きいほど透過速度は大きくなり、透過速度に比例する因子です。
- ⑵ 薬物の膜中の拡散係数膜中の拡散係数が大きいほど透過速度は大きくなり、透過速度に比例する因子です。
- ⑶ 膜の厚さ(L)膜の厚さLは式の分母にあり、膜が厚いほど透過速度は小さくなるため反比例します。
- ⑷ 薬物の膜への分配係数(C1/Cout)分配係数が大きいほど膜中濃度C1が高くなり、透過速度は大きくなるため比例する因子です。
- ⑸ 細胞外及び細胞内溶液と接する面の膜中薬物濃度の差(C1 - C2)膜中の濃度差(C1 − C2)は拡散の駆動力で、透過速度に比例します。
この問題は問題の図(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑶です。Fickの法則に従う単純拡散による膜透過速度は、透過速度 = D・S・(C1 − C2)/L で表されます。ここでDは膜中の拡散係数、Sは有効表面積、C1 − C2は膜の両面の膜中濃度差、Lは膜の厚さです。したがって透過速度は膜の厚さLに反比例し、それ以外の因子には比例します。分配係数Kを用いると C1 = K・Cout と表せるため、透過速度は分配係数にも比例します。脂溶性が高い薬物ほど透過しやすい理由もこの式で説明できます。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198926.html)を加工して作成