トランスポーターを介した薬物輸送に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
トランスポーターを介した薬物輸送に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- ⑴ ペプチドトランスポーターPEPT1 によるバラシクロビル輸送の駆動力は、プロトン濃度勾配である。PEPT1はH⁺との共輸送体で、プロトン濃度勾配を駆動力としてバラシクロビルを輸送します。
- ⑵ 有機アニオントランスポーターOAT1 によるメトトレキサート輸送は、ATPの加水分解エネルギーを駆動力として直接利用する。OAT1はジカルボン酸との交換輸送を行う三次性能動輸送で、ATPの加水分解エネルギーを直接は利用しません。
- ⑶ シクロスポリンは有機アニオントランスポーターOATP1B1 を阻害するため、プラバスタチンの肝臓への移行を抑制し、血中濃度を上昇させる。シクロスポリンはOATP1B1を阻害し、プラバスタチンの肝取り込みを抑えて血中濃度を上昇させます。
- ⑷ カルビドパは血液脳関門に発現する中性アミノ酸トランスポーターLAT1 を介して、脳へ移行する。LAT1を介して脳に移行するのはレボドパで、カルビドパは脳に移行しないため末梢でのみドパ脱炭酸酵素を阻害します。
- ⑸ シスプラチンは有機カチオントランスポーターOCT2 の基質であるため、ジゴキシンの尿細管分泌を競合的に阻害する。ジゴキシンの尿細管分泌は主にP-糖タンパク質を介するため、OCT2の基質であるシスプラチンとの競合は起こりにくいです。
解説
正解は⑴と⑶です。PEPT1は小腸に発現するH⁺共輸送型のトランスポーターで、プロトン濃度勾配を駆動力として、ジペプチド類似構造をもつバラシクロビルなどを取り込みます。シクロスポリンは肝臓のOATP1B1を阻害するため、プラバスタチンの肝臓への取り込みが減って血中濃度が上昇します。OAT1はジカルボン酸との交換による三次性能動輸送で、ATPを直接利用しません。カルビドパは脳に移行せず、ジゴキシンは主にP-糖タンパク質で分泌されます。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198923.html)を加工して作成