75 歳男性。身長165 cm、体重55 kg。3 年前に発症した右脳梗塞の後遺…
75 歳男性。身長165 cm、体重55 kg。3 年前に発症した右脳梗塞の後遺症のために、左半身麻痺があり、通院にてリハビリを行っている。ベッド上で過ごすことが多く、自力による体位変換はほとんどできず、1 日3 回のオムツ交換を行っている。今回、肺炎の疑いにて緊急入院となった。入院後、褥瘡対策チームが回診を行ったところ、仙骨部に3 × 5 cm の褥瘡を認めた。創面は黄色、皮下脂肪組織までの欠損があり、感染を伴う混濁した黄色の浸出液が多く認められた。そのため、以下の処方で治療が開始されることとなった。(入院時検査所見)血清アルブミン2.1 g/dL、CRP 11.0 mg/dL、白血球18,000/μL、AST 24 IU/L、ALT 22 IU/L、BUN 22.9 mg/dL、血清クレアチニン0.9 mg/dL(処方)カデックス軟膏(注)100 g 1 回適量1 日2 回 朝夕 患部に塗布(注) カデキソマー150、マクロゴール400、マクロゴール4000 を基剤とし、1 g 中にヨウ素9 mg を含有する。薬剤師から家族への説明として、適切でないのはどれか。1つ選べ。
- ⑴ この薬は、浸出液が多い場合に使用します。適切な説明です。カデキソマーは浸出液を吸収するため、浸出液の多い褥瘡に使用します。
- ⑵ この薬は、殺菌作用により患部の回復を早めるために使用します。適切な説明です。ヨウ素の殺菌作用で感染を抑え、患部の回復を促します。
- ⑶ この薬は、創面を保護するために使用します。適切でない説明です。カデックス軟膏は浸出液の吸収と殺菌を目的とする薬で、創面保護の目的ではありません。
- ⑷ 栄養状態が良くないので、十分な栄養が必要です。適切な説明です。血清アルブミン2.1 g/dLと低栄養で、褥瘡の治癒には十分な栄養が必要です。
- ⑸ 褥瘡の重症化予防のため、定期的な体位変換が必要です。適切な説明です。定期的な体位変換で圧迫を除くことは、褥瘡の重症化予防に必要です。
解説
正解は⑶です。カデックス軟膏は、カデキソマーが浸出液や膿、細菌を吸収し、含まれるヨウ素が徐々に放出されて殺菌作用を示す外用剤で、感染を伴い浸出液の多い褥瘡に用いられます。創面を保護する目的で使う薬ではないため、この説明は適切ではありません。創面の保護には白色ワセリンなどの油脂性基剤が用いられます。そのほかの説明は適切で、血清アルブミンが2.1 g/dLと低栄養であるため十分な栄養補給が必要であり、重症化を防ぐために定期的な体位変換で圧迫を除くことが大切です。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198925.html)を加工して作成