51 歳男性。身長170 cm、体重57 kg。健康診断の胸部X 線検査にて異常…
51 歳男性。身長170 cm、体重57 kg。健康診断の胸部X 線検査にて異常が見られたため、胸部CT など精査を行ったところ、EGFR 遺伝子変異陽性、進行・切除不能(Stage Ⅳ)の非小細胞肺癌と診断され、以下の処方で治療を開始することとなった。(処方)アファチニブマレイン酸塩錠40 mg 1 回1 錠(1 日1 錠)1 日1 回 起床時 14 日分薬剤師が本剤の服用開始にあたり、患者に指導すべき内容として、適切でないのはどれか。1つ選べ。
- ⑴ 食事の影響を回避するため、本剤服用後1 時間は食事をしない。適切な指導です。食後の服用で吸収が低下するため、服用後1時間は食事をしないよう指導します。
- ⑵ 副作用発現の可能性が高まるため、グレープフルーツを摂取しない。適切でない指導です。アファチニブはCYPでほとんど代謝されないため、グレープフルーツを一律に禁止する必要はありません。
- ⑶ 咳嗽、発熱などが生じた場合は、すぐに医師に連絡する。適切な指導です。咳嗽や発熱は間質性肺疾患の初期症状のおそれがあり、すぐに連絡してもらいます。
- ⑷ 下痢が発現した際には、止瀉薬を直ちに服用する。適切な指導です。アファチニブの下痢は高頻度で、早めに止瀉薬を服用して重症化を防ぎます。
- ⑸ 爪囲炎やざ瘡様皮疹対策として、保湿剤を塗布する。適切な指導です。爪囲炎やざ瘡様皮疹の予防には保湿剤によるスキンケアが重要です。
解説
正解は⑵です。アファチニブは主にP糖タンパク質の基質で、CYPによる代謝をほとんど受けないため、グレープフルーツの摂取を一律に禁止する必要はなく、この指導は適切ではありません。そのほかの指導は適切で、食後に服用すると吸収が低下するため食事の1時間以上前(または3時間以上後)に服用します。間質性肺疾患の初期症状である咳や発熱が出たらすぐに連絡し、高頻度に起こる下痢には止瀉薬を早めに服用します。爪囲炎やざ瘡様皮疹の予防には保湿剤によるスキンケアが大切です。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198925.html)を加工して作成