この患者の情報の取扱いに関する薬局Bでの対応について正しいのはどれか。2つ選べ。
45 歳女性。調理師。仕事中に動悸を感じていたが、疲れのためだろうと深刻に考えていなかった。健康診断で不整脈の疑いが指摘されたため、近隣の診療所を受診したところ、頻脈傾向で処方1 が処方され薬局Aで調剤された。1 週間後、診療所から紹介された医療機関を受診し、精査したところ、肝機能及び腎機能は正常値であったものの、心房細動と確定診断されたため、新たに処方2が追加された。この患者が処方2 の処方箋を持参して、薬局Bに来局した。患者からの聞き取りで、処方1 の薬を服用していることが確認できたが、お薬手帳には過去の治療薬の記載のみで、処方1 の薬の記載はなかった。また、患者は、セントジョーンズワート含有食品を常用していると話していた。処方1 開始時の血圧143/86 mmHg、脈拍98 回/分(処方1 )ビソプロロールフマル酸塩錠2.5 mg 1 回1 錠(1 日1 錠)1 日1 回 朝食後 14 日分(処方2 )リバーロキサバン錠15 mg 1 回1 錠(1 日1 錠)1 日1 回 朝食後 14 日分
この患者の情報の取扱いに関する薬局Bでの対応について正しいのはどれか。2つ選べ。
- ⑴ 患者の勤務する会社から、ストレスチェックの一環として患者の服用している薬を知りたいと連絡があったため、情報を提供した。勤務先の会社は第三者であり、本人の同意なく服用薬の情報を提供してはいけません。
- ⑵ 患者から自分の薬歴を開示してほしいとの申し出があったが、薬局には開示の義務はないので断った。個人情報保護法により、本人から保有個人データの開示を求められた場合は原則として開示する義務があります。
- ⑶ 患者の同僚が薬局に来た際、この患者もこの薬局で調剤を受けていることを教えた。患者がこの薬局を利用している事実も個人情報で、同僚に教えることは不適切です。
- ⑷ 薬局内で示している利用目的の範囲内で、個人を特定できない匿名化を行い、近隣の薬局との症例検討会で発表した。利用目的の範囲内で個人を特定できないよう匿名化すれば、症例検討会で発表できます。
- ⑸ マーケティング会社から、医薬品の使用率調査として患者の健康保険証の記号・番号等を含めた情報提供を依頼されたが、この情報は個人情報に該当するため断った。健康保険証の記号・番号を含む情報は個人情報で、本人の同意なくマーケティング会社に提供できません。
解説
正解は⑷と⑸です。個人情報保護法のもとでは、薬局内で示している利用目的の範囲内であれば、個人を特定できないよう匿名化した症例を検討会で発表することは認められます。健康保険証の記号・番号などは個人を識別できる個人情報であり、本人の同意なくマーケティング会社に提供してはいけません。勤務先の会社や同僚であっても、本人の同意なく服用薬や調剤の事実を伝えることは第三者提供にあたり不適切です。また本人から薬歴の開示を求められた場合、薬局には原則として開示する義務があります。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198925.html)を加工して作成