この患者に対するインスリン注射に関する指導の内容として、正しいのはどれか。2つ選…
55 歳男性。身長175 cm、体重81 kg。3 年前に健康診断で高血糖を指摘され、近医を受診したところ、2 型糖尿病と診断された。経口血糖降下薬による治療を受けていたが、血糖コントロールが不良のため、6 ヶ月前よりインスリン注射開始となった。今回、かかりつけ薬剤師が薬剤を交付する際にフィジカルアセスメントを行ったところ、注射部位に軽い硬結が認められた。(使用中の薬剤)インスリンアスパルト(遺伝子組換え)朝食直前12 単位、昼食直前6 単位、夕食直前8 単位インスリンデグルデク(遺伝子組換え) 夕食直前12 単位テルミサルタン40 mg・アムロジピン配合錠 1 回1 錠(1 日1 回)朝食後(身体及び検査所見)血圧118/68 mmHg、AST 15 IU/L、ALT 16 IU/L、γ-GTP 32 IU/L、血清クレアチニン1.06 mg/dL、eGFR 57.6 mL/min/1.73 m²、空腹時血糖110 mg/dL、HbA1c 6.6%、TG(トリグリセリド)190 mg/dL、総コレステロール208 mg/dL、HDL-C 44 mg/dL、LDL-C 90 mg/dL、尿酸7.4 mg/dL、尿糖(-)、尿蛋白(-)、尿中ケトン体(-)
この患者に対するインスリン注射に関する指導の内容として、正しいのはどれか。2つ選べ。
- ⑴ インスリンによる治療中は、食事療法を中止する。インスリン療法中も食事療法は治療の基本であり、中止してはいけません。
- ⑵ 使用開始後の超速効型インスリンペン型製剤は、室温で保管する。使用開始後のペン型製剤は冷蔵すると故障の原因となるため、室温で保管します。
- ⑶ 現在の状態では、持効型溶解インスリン注射をやめても良い。基礎インスリンを中止すると血糖が悪化するおそれがあり、HbA1cが良好でも自己判断でやめてはいけません。
- ⑷ 硬結防止のために、注射部位は前回の注射部位から少なくとも2 ~3 cm 離す。硬結を防ぐため、注射部位は前回の部位から少なくとも2〜3 cm離します。
- ⑸ 低血糖症状を感じたらすぐに横になって休む。低血糖症状を感じたら、休むだけでなく、すぐにブドウ糖や糖分を含む飲食物を摂取します。
解説
正解は⑵と⑷です。使用を開始したインスリンのペン型製剤は、冷蔵庫に入れると結露などで故障の原因になるため、室温で保管して決められた期間内に使い切ります。未使用の製剤は冷蔵庫で保管します。同じ部位に繰り返し注射すると皮下にリポハイパートロフィー(硬結)ができ、インスリンの吸収が不安定になるため、前回の部位から2〜3 cm以上離して注射します。インスリン療法中も食事療法は続け、持効型インスリンは自己判断で中止しません。低血糖症状を感じたら、すぐにブドウ糖などを摂取することが大切です。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198925.html)を加工して作成