処方2 のダパグリフロジン(A)は、リンゴの樹皮に含まれるフロリジン(B)をリー…
60 歳女性。5 年前より糖尿病治療のためクリニックを受診している。今回体重増加と血糖コントロール不良により、現在服用中の薬剤(処方1 )にダパグリフロジンプロピレングリコール水和物錠(処方2 )が追加された。(処方1 )ミグリトール錠50 mg 1 回1 錠(1 日3 錠)1 日3 回 朝昼夕食直前 28 日分メトホルミン塩酸塩錠250 mg 1 回1 錠(1 日3 錠)1 日3 回 朝昼夕食後 28 日分(処方2 )ダパグリフロジンプロピレングリコール水和物錠5 mg 1 回1 錠(1 日1 錠)1 日1 回 朝食後 28 日分
処方2 のダパグリフロジン(A)は、リンゴの樹皮に含まれるフロリジン(B)をリード化合物として開発された。これらの化合物に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。
- ⑴ いずれもガラクトピラノシド構造を含む。両化合物ともグルコースに由来するグルコピラノシド構造をもち、ガラクトピラノシドではありません。
- ⑵ 化合物Bは、化合物Aよりグリコシダーゼに対して安定である。O-グリコシドのフロリジンは加水分解されやすく、C-グリコシドのダパグリフロジンの方が安定です。
- ⑶ 化合物Bは、α-グリコシド結合をもつ。フロリジンのグリコシド結合はβ-グリコシド結合です。
- ⑷ 化合物Aは、プロドラッグである。ダパグリフロジンはそのままSGLT2を阻害する活性体で、プロドラッグではありません。
- ⑸ 化合物Bは、アセタール結合をもつ。フロリジンはO-グリコシドで、アノマー炭素が2つの酸素と結合したアセタール構造をもちます。
この問題は問題の図(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑸です。フロリジン(B)は、グルコースの1位の炭素がフェノール性ヒドロキシ基とO-グリコシド結合したβ-グルコシドで、アノマー炭素は2つの酸素原子と結合したアセタール構造をもちます。そのため小腸のβ-グルコシダーゼで加水分解されやすく、経口薬には向きませんでした。ダパグリフロジン(A)はグルコースと芳香環を炭素どうしで結合させたC-グリコシドで、グリコシダーゼに安定です。どちらもグルコピラノシド構造で、Aは活性体として作用するためプロドラッグではありません。図は見えないため、構造の一般的な特徴に基づいて説明しています。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198925.html)を加工して作成