術前の投与設計によって、タクロリムスカプセルの投与を手術当日夕食後より開始した。…
27 歳男性。体重50 kg。父をドナーとする生体腎移植治療が予定されている。7 日後の移植術を控え、術後に用いるタクロリムスの投与設計を薬剤師が依頼された。
術前の投与設計によって、タクロリムスカプセルの投与を手術当日夕食後より開始した。7 日後に退院予定であるが、病棟担当薬剤師が行う患者への指導内容として、適切なのはどれか。2つ選べ。
- ⑴ クロレラの摂取を控える。クロレラはビタミン K を多く含むためワルファリン服用時に注意しますが、タクロリムスでは控える必要はありません。
- ⑵ 加熱調理した野菜の摂取を控える。加熱調理した野菜は感染のリスクが低く、むしろ推奨される食事で控える必要はありません。
- ⑶ グレープフルーツの摂取を控える。グレープフルーツは CYP3A4 を阻害してタクロリムスの血中濃度を上昇させるため、摂取を控えます。
- ⑷ 乾燥弱毒生風しんワクチンの接種を控える。免疫抑制状態では生ワクチンによる感染症のおそれがあるため、生風しんワクチンの接種を控えます。
- ⑸ インフルエンザHA ワクチンの接種を控える。インフルエンザ HA ワクチンは不活化ワクチンで、免疫抑制患者にも接種できます。
解説
正解は⑶と⑷です。タクロリムスは主に CYP3A4 で代謝されるため、小腸の CYP3A4 を阻害するグレープフルーツを摂取すると血中濃度が上昇するおそれがあり、摂取を控えるよう指導します。また、免疫抑制状態では生ワクチンを接種すると、ワクチン由来の病原体による感染症を起こすおそれがあるため、乾燥弱毒生風しんワクチンなどの生ワクチンは接種を控えます。不活化ワクチンは接種可能です。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198924.html)を加工して作成