この患者への薬剤師の対応として、適切なのはどれか。2つ選べ。
33 歳女性。最近体重が減少し、手指振戦、動悸、多汗があるため受診した。身体所見として眼球突出、びまん性甲状腺腫がありバセドウ病と診断され、薬局に以下の処方箋を持参した。なお、患者は動悸や振戦がひどくて辛いと話している。検査値等は以下のとおりである。(検査値)脈拍数115 拍/分、遊離サイロキシン(FT4)4 ng/dL、遊離トリヨードサイロニン(FT3)10 pg/mL、甲状腺刺激ホルモン(TSH)0.05 μU/mL 以下、TSH 受容体抗体陽性(処方1 )チアマゾール錠5 mg 1 回3 錠(1 日3 錠)1 日1 回 朝食後 14 日分(処方2 )プロプラノロール塩酸塩錠10 mg 1 回1 錠(1 日3 錠)1 日3 回 朝昼夕食後 14 日分
この患者への薬剤師の対応として、適切なのはどれか。2つ選べ。
- ⑴ 妊娠の有無を再確認する。チアマゾールは妊娠初期の服用で奇形との関連が報告されているため、妊娠の有無を確認します。
- ⑵ 服用開始後2 ヶ月間は原則として2 週に1 回、白血球や好中球の検査が必要と伝える。無顆粒球症の早期発見のため、開始後2か月間は原則2週に1回の血液検査が必要です。
- ⑶ 手指振戦や動悸の軽減には通常数週間かかると伝える。プロプラノロールにより動悸や振戦は比較的速やかに軽減するため、数週間かかるという説明は不適切です。
- ⑷ 処方薬服用後に発熱しても、それはバセドウ病の症状であり、薬の副作用ではないと伝える。服用後の発熱は無顆粒球症の初期症状の可能性があり、副作用ではないと伝えるのは不適切です。
- ⑸ 手指振戦等の自覚症状がなくなったら、両処方の服用は終了すると伝える。抗甲状腺薬は甲状腺機能を確認しながら長期間継続するもので、自覚症状が消えても自己判断で中止しません。
解説
正解は⑴と⑵です。チアマゾールは妊娠初期に服用すると頭皮欠損や臍腸管遺残などの奇形との関連が報告されているため、33歳女性の患者では妊娠の有無を再確認します。また、重大な副作用の無顆粒球症は投与開始後2か月以内に多いため、原則として2週に1回、白血球数と好中球数を検査する必要があります。服用後の発熱やのどの痛みは無顆粒球症の初期症状の可能性があり、すぐに受診するよう伝えます。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198924.html)を加工して作成