薬剤師は患者の不安を和らげるため、今回の禁煙療法の特徴について説明した。説明内容…
35 歳女性。喫煙歴15 年(1 日20 本)。以前から、ニコチンガムやニコチンパッチによる禁煙を試みたが失敗を繰り返していた。今回、禁煙外来を受診し、ニコチン受容体の部分刺激薬であるバレニクリン酒石酸塩錠による禁煙を試みることになった。女性は、医療機関でニコチン置換療法とは異なる治療法であると説明を受け禁煙に意欲的だが、また失敗するのではないかと不安にもなっている。
薬剤師は患者の不安を和らげるため、今回の禁煙療法の特徴について説明した。説明内容として、適切なのはどれか。2つ選べ。
- ⑴ ニコチン置換療法と異なり、治療開始時は薬を服用しながら喫煙が可能です。バレニクリンは服用開始から1週間は喫煙を続け、8日目から禁煙する方法で用います。
- ⑵ ニコチンを補充しないので、治療中に抑うつ気分や不安、イライラが強く出ることがありますが、一時的なものですので、そのまま服用を続けてください。抑うつ気分や不安、焦燥などが現れた場合は、そのまま続けるのではなく服用を中止して医師に相談するよう指導します。
- ⑶ お薬にはニコチンが含まれていませんが、禁煙による離脱症状やタバコに対する切望感が軽減します。ニコチンを含みませんが、部分作動薬として離脱症状や切望感を軽減します。
- ⑷ 途中で禁煙がつらくなったときは、ニコチンパッチ剤との併用療法に切り替えることができます。ニコチンパッチとの併用は有効性が確立しておらず、悪心などの副作用が増えるため推奨されていません。
- ⑸ ニコチンガムと同じように、主に口腔粘膜から有効成分が吸収されるので、炭酸飲料やコーヒーでの服用は避けてください。バレニクリンは錠剤で、消化管から吸収されます。口腔粘膜から吸収されるガム剤とは異なります。
解説
正解は⑴と⑶です。バレニクリンは α4β2 ニコチン受容体の部分作動薬で、ニコチンを含みませんが、受容体を適度に刺激して禁煙による離脱症状やタバコへの切望感を和らげ、さらに喫煙しても満足感を得にくくします。治療開始後1週間は喫煙しながら服用し、8日目から禁煙する方法をとるため、開始時は喫煙が可能です。抑うつ気分などが現れた場合は、服用を中止して医師に相談するよう指導します。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198924.html)を加工して作成