本治療に関する記述のうち、適切なのはどれか。2つ選べ。
52 歳女性。約1 年前に乳癌(ホルモン受容体陰性、HER2 陰性)と診断され、術後化学療法としてAC(ドキソルビシン + シクロホスファミド)療法を受けたが、最近、再発が認められた。そこで二次治療として、アブラキサン®点滴静注用(注)による化学療法を実施することになった。(注:パクリタキセル注射剤(アルブミン懸濁型))
本治療に関する記述のうち、適切なのはどれか。2つ選べ。
- ⑴ Dose limiting toxicity として骨髄抑制があり、好中球数及び血小板数の変動に十分留意する。用量規制毒性は骨髄抑制であり、好中球数と血小板数の変動に十分注意する必要があります。
- ⑵ アルコール過敏症の患者には禁忌であり、事前に患者から聞き取りを行う必要がある。アブラキサンはエタノールを含まないため、アルコール過敏症の患者に禁忌とはされていません。
- ⑶ 末梢神経障害でしびれなどが現れたときには、減量や休薬が必要とされる。末梢神経障害でしびれなどが現れたときには、程度に応じて減量や休薬を行います。
- ⑷ パクリタキセルの他の製剤(ポリオキシエチレンヒマシ油含有製剤)に比べ過敏症が発現しにくいので、末梢より5 分間かけて静注する。過敏症は起こりにくいものの、投与は通常30分かけて点滴静注するもので、5分間での静注ではありません。
- ⑸ 沈殿物が認められることがあるので、投与時にはインラインフィルターを使用する。ナノ粒子がフィルターに捕捉されるおそれがあるため、インラインフィルターは使用しません。
解説
正解は⑴と⑶です。アブラキサンの用量規制毒性(DLT)は骨髄抑制で、好中球数や血小板数の変動を十分に観察する必要があります。また末梢神経障害が高頻度に現れ、しびれなどが強い場合は減量や休薬を行います。アブラキサンはエタノールやポリオキシエチレンヒマシ油を含まないため、アルコール過敏症は禁忌ではなく、前投薬も原則不要です。投与は通常30分かけて点滴静注し、粒子がフィルターに捕捉されるおそれがあるためインラインフィルターは使用しません。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198923.html)を加工して作成