患者から、ふらつきがひどくて歩きづらいとの訴えが強かった。また、家族より、時折発…
59 歳男性。体重72 kg。糖尿病、高血圧、脂質異常症に対する治療を受けていた。同時期にうつ病に対しパロキセチンで治療を開始したが、抑うつが改善した後気分が高揚したため、双極性障害と診断され任意入院した。入院後特に焦燥感が強いと患者から訴えがあった。現在の服用薬剤は処方1 のとおり。(処方1 )炭酸リチウム錠200 mg 1 回2 錠(1 日2 錠)1 日1 回 朝食後 14 日分リスペリドン錠1 mg 1 回3 錠(1 日6 錠)1 日2 回 朝夕食後 14 日分ロスバスタチン錠2.5 mg 1 回1 錠(1 日1 錠)1 日1 回 夕食後 14 日分メトホルミン塩酸塩錠500 mg 1 回1 錠(1 日2 錠)1 日2 回 朝夕食後 14 日分オルメサルタン メドキソミル錠20 mg 1 回1 錠(1 日1 錠)1 日1 回 朝食後 14 日分
患者から、ふらつきがひどくて歩きづらいとの訴えが強かった。また、家族より、時折発汗、流涎、手の震えに加えて身動きもせず黙り込むなどの症状も散見されるとの情報を得た。副作用軽減を念頭に、主治医に薬剤師が提案する内容として最も適切なのはどれか。1つ選べ。
- ⑴ ロスバスタチン錠の増量ロスバスタチンの増量は脂質の管理に関わるもので、錐体外路症状の軽減にはつながりません。
- ⑵ リスペリドン錠の減量流涎や振戦、無動などはリスペリドンによる錐体外路症状と考えられ、減量が適切です。
- ⑶ メトホルミン塩酸塩錠の減量メトホルミンは錐体外路症状の原因ではなく、減量しても症状は改善しません。
- ⑷ オルメサルタン メドキソミル錠の増量オルメサルタンを増量すると血圧低下によりふらつきが悪化するおそれがあります。
- ⑸ ブロチゾラム錠の追加ブロチゾラムの追加は筋弛緩作用や眠気でふらつきを悪化させるおそれがあり、不適切です。
解説
正解は⑵です。ふらつき、流涎、手の震え、身動きせず黙り込むといった症状は、リスペリドンによる錐体外路症状(パーキンソニズムなど)が強く出ていると考えられます。発汗も伴うため悪性症候群の前兆にも注意が必要です。リスペリドン6 mg/日は比較的高用量であり、副作用を軽減するために減量を提案するのが最も適切です。ロスバスタチンやオルメサルタンの増量は症状と関係がなく、ブロチゾラムの追加はふらつきを悪化させるおそれがあります。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198923.html)を加工して作成