化学物質の環境内動態に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
化学物質の環境内動態に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- ⑴ 生物濃縮の程度を示す指標である濃縮係数は、化学物質の環境中濃度と生体内濃度の差で表される。濃縮係数は生体内濃度を環境中濃度で割った比で表され、差ではありません。
- ⑵ 1-オクタノール / 水分配係数が小さい化学物質ほど、生物濃縮されやすい。1-オクタノール/水分配係数が大きい、つまり脂溶性が高い物質ほど生物濃縮されやすくなります。
- ⑶ 生物濃縮には、直接濃縮と間接濃縮があり、後者は食物連鎖によって引き起こされる。生物濃縮には直接濃縮と間接濃縮があり、間接濃縮は食物連鎖によって起こります。
- ⑷ 直鎖型アルキルベンゼンスルホン酸は、分岐型のものに比べ環境中の微生物による分解を受けにくい。直鎖型アルキルベンゼンスルホン酸(LAS)は、分岐型(ABS)に比べて微生物で分解されやすい洗剤です。
- ⑸ DDT(ジクロロジフェニルトリクロロエタン)及びその代謝物は、動物の脂肪組織に残留しやすい。DDTとその代謝物は脂溶性が高く難分解性なので、動物の脂肪組織に残留しやすいです。
解説
正解は⑶と⑸です。生物濃縮には、水などの環境から生物が直接取り込む直接濃縮と、食物連鎖を通じて上位の生物に蓄積していく間接濃縮があります。DDTやその代謝物DDEは脂溶性が高く分解されにくいため、動物の脂肪組織に残留しやすい物質です。濃縮係数は生体内濃度と環境中濃度の比で表され、1-オクタノール/水分配係数が大きい脂溶性の物質ほど濃縮されやすくなります。直鎖型の洗剤は分岐型より分解されやすい点にも注意が必要です。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198923.html)を加工して作成