輸血を必要としている患者(幼児)から採血し、単離した赤血球を用いて、図1 ⒜に示…
輸血を必要としている患者(幼児)から採血し、単離した赤血球を用いて、図1 ⒜に示すような血液型判定の検査ⅰ、ⅱを行ったところ、結果は図1 ⒝のようになった。さらに、確認試験として、患者の血清を用いて図2 ⒜に示す検査ⅲを行った。患者は低ガンマグロブリン症などの疾患は有していない。患者の母親の血液型はA 型Rh(-)型である。検査ⅲの結果と、患者の父親の血液型に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。なお、血液型の遺伝は、メンデルの遺伝の法則に従うものとする。図1⒜ 方法 検査ⅰ 血液型判定(ABO 型) 検査ⅱ 血液型判定(Rh 型)患者サンプル 患者サンプル(5 ~10%赤血球浮遊液) (5 ~10%赤血球浮遊液)抗A血清 抗B血清 抗D血清Rhコントロール患者から単離した赤血球(生理食塩水で希釈した5 ~10%浮遊液)を、スライドグラス上に広げた血清(検査ⅰでは抗A 血清と抗B 血清、検査ⅱでは抗D 血清とRh コントロール)に垂らし、軽く混和し、凝集の有無を調べる。⒝ 結果 検査ⅰ 検査ⅱ抗A血清 抗B血清 抗D血清 Rhコントロール凝集なし 凝集あり 凝集あり 凝集なし図2⒜ 検査ⅲの方法 ⒝ 結果の可能性A型赤血球B型赤血球 A型赤血球 B型赤血球① (+) (+)② (-) (+)③ (+) (-)④ (-) (-)患者サンプル(血清)(+)凝集あり (-)凝集なし患者の血清をスライドグラス上の2 ヶ所に広げ、そこにA型の赤血球、B 型の赤血球を垂らし、軽く混和し、凝集の有無を調べる。
- ⑴ 検査ⅲの結果は、図2 ⒝の②となる。②はB型赤血球だけが凝集する結果で、抗B抗体をもつA型の血清の場合です。
- ⑵ 検査ⅲの結果は、図2 ⒝の③となる。B型の患者の血清は抗A抗体をもつため、A型赤血球だけが凝集する③の結果になります。
- ⑶ 検査ⅲの結果は、図2 ⒝の①又は④となる。①はO型、④はAB型の血清で見られる結果で、B型の患者には当てはまりません。
- ⑷ 父親のABO 血液型は、B 型又はAB 型である。母親はA型でB遺伝子をもたないため、子のB遺伝子は父親由来であり、父親はB型かAB型です。
- ⑸ 父親のABO 血液型は、O 型である。O型の父親はB遺伝子をもたないため、A型の母親との間にB型の子は生まれません。
- ⑹ 父親のRh 血液型は、Rh(-)型である。母親がRh(−)型で子がRh(+)型なので、D遺伝子は父親から受け継いでおり、父親はRh(+)型です。
この問題は問題の図(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑵と⑷です。患者の赤血球は抗B血清でのみ凝集したのでB型、抗D血清で凝集したのでRh(+)型です。B型の血清には抗A抗体が含まれるため、検査ⅲではA型赤血球だけが凝集する③の結果になります。母親はA型で、子がB型遺伝子をもつためには、父親がB遺伝子をもつB型かAB型である必要があります。また母親がRh(−)型で子がRh(+)型なので、D遺伝子は父親由来であり、父親はRh(+)型です。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198923.html)を加工して作成