バイオ医薬品の分析に、溶融シリカの細い管を用いるキャピラリー電気泳動を用いた。中…
バイオ医薬品の分析に、溶融シリカの細い管を用いるキャピラリー電気泳動を用いた。中性付近の緩衝液を満たして電圧をかけたときの物質の移動に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。
- ⑴ 電荷をもたない中性の分子は、電圧をかけても移動せず、注入口にとどまり続ける。中性分子は電気泳動はしませんが、電気浸透流によって陰極側へ運ばれます。
- ⑵ 弱酸性の物質の移動の速さは、緩衝液のpHを変えても変化しない。pHによって弱酸の解離の程度が変わり、電荷が変わるため移動の速さも変化します。
- ⑶ 電気浸透流は陽極の側へ向かうため、中性の分子は陽極の側で検出される。電気浸透流は陰極へ向かい、中性分子はその流れに乗って陰極側で検出されます。
- ⑷ 管の内壁が負に帯電し、緩衝液全体が陰極側へ動く電気浸透流が生じる。内壁のシラノール基が解離して負電荷をもち、その近くの陽イオンとともに液全体が陰極へ流れます。
- ⑸ 同じ符号の電荷をもつ物質では、大きさの割に電荷の大きいものほど速く動く。電気泳動の速さは、電荷と分子の大きさの比で決まります。
解説
正解は⑷と⑸です。溶融シリカの管の内壁はシラノール基が解離して負に帯電し、近くに集まった陽イオンとともに緩衝液全体が陰極へ流れる電気浸透流が生じます。そのため中性分子もこの流れに乗って陰極側へ運ばれます。電荷をもつ物質は、電荷と大きさの比に応じた電気泳動の速さが電気浸透流に加わります。弱酸や弱塩基の移動の速さは、pHによる解離の程度で変わります。
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