35歳の女性。急性骨髄性白血病で、兄弟から提供された骨髄を用いる同種造血幹細胞移…
35歳の女性。急性骨髄性白血病で、兄弟から提供された骨髄を用いる同種造血幹細胞移植を受けることになった。この治療に関する説明として、正しいのはどれか。
- ⑴ 移植前に大量の化学療法や全身への放射線照射を行うのは、ドナーの細胞を攻撃する抗体を患者につくらせるためである。移植前処置の目的は腫瘍細胞を減らし、患者の免疫を抑えて移植した細胞を拒絶させないことです。
- ⑵ 提供者に由来するT細胞が、患者の皮膚、肝臓、消化管などを攻撃する移植片対宿主病が起こりうる。同種移植ではドナーのリンパ球が患者を異物とみなして攻撃し、皮疹、黄疸、下痢などが現れます。
- ⑶ 提供された造血幹細胞は、静脈から点滴すると骨髄にたどり着けないため、患者の骨髄に直接注入する。造血幹細胞は静脈から点滴で投与し、血流に乗って骨髄へ移動して定着します。
- ⑷ 患者自身の造血幹細胞を用いる自家移植の方が、同種移植より移植片対宿主病が起こりやすい。自家移植では自分の細胞を戻すため、移植片対宿主病はほとんど起こりません。
- ⑸ 臍帯血移植は骨髄移植より白血球の型の一致の条件が厳しく、ほぼ完全な一致が求められる。臍帯血のリンパ球は未熟なため、骨髄移植よりも白血球の型の不一致が許容されやすい特徴があります。
解説
正解は⑵です。同種造血幹細胞移植では、移植前に大量の化学療法や全身放射線照射を行って腫瘍細胞を減らし、患者の免疫を抑えたうえで、提供者の造血幹細胞を静脈から点滴します。移植後は、提供者に由来するT細胞が患者の組織を攻撃する移植片対宿主病が起こることがあり、皮膚、肝臓、消化管が障害されやすいため、カルシニューリン阻害薬などで予防します。一方で、この反応は白血病の再発を抑える効果ももちます。
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