HIV感染症の治療で、作用点の異なる抗ウイルス薬を組み合わせて用いる理由を理解す…
HIV感染症の治療で、作用点の異なる抗ウイルス薬を組み合わせて用いる理由を理解するため、ウイルスの増殖のしかたを整理した。ウイルスに関する記述として、正しいのはどれか。
- ⑴ ヒト免疫不全ウイルスは逆転写酵素をもち、合成されたDNAが宿主の染色体に組み込まれる。レトロウイルスは逆転写でDNAをつくり、インテグラーゼにより宿主の染色体へ組み込みます。
- ⑵ C型肝炎ウイルスはDNAを遺伝子にもち、宿主の染色体に組み込まれて長く潜伏する。C型肝炎ウイルスはRNAウイルスで、宿主の染色体に組み込まれることなく細胞質で複製します。
- ⑶ 単純ヘルペスウイルスは、初感染のあと血液中のB細胞に潜伏し、再活性化すると口唇に水疱をつくる。単純ヘルペスウイルスは知覚神経節に潜伏し、B細胞に潜伏するのはEBウイルスです。
- ⑷ ウイルスは自らのリボソームでたんぱく質を合成できるため、生きた細胞の外でも増殖する。ウイルスはリボソームをもたず、宿主細胞の合成系を借りなければ増殖できません。
- ⑸ B型肝炎ウイルスはRNAウイルスで、感染した肝細胞の細胞質の中で複製を完了する。B型肝炎ウイルスはDNAウイルスで、核内で環状のDNAをつくり、複製の途中で逆転写を行います。
解説
正解は⑴です。ヒト免疫不全ウイルスはRNAを遺伝子にもつレトロウイルスで、逆転写酵素でDNAを合成し、インテグラーゼで宿主の染色体へ組み込み、プロテアーゼで成熟します。この各段階を別々の薬で抑えるために併用します。B型肝炎ウイルスはDNAウイルス、C型肝炎ウイルスは染色体に組み込まれないRNAウイルスです。単純ヘルペスウイルスは知覚神経節に潜伏し、ウイルスは宿主細胞の中でのみ増殖します。
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