1歳の子どもの母親が、これから受ける予防接種や、けがのときに使われる注射について…
1歳の子どもの母親が、これから受ける予防接種や、けがのときに使われる注射について質問に来局した。ワクチンや抗体による免疫の利用に関する説明として、正しいのはどれか。
- ⑴ 麻しん風しん混合ワクチンは弱毒化した生ワクチンで、体内で増えることで長く続く免疫を誘導する。弱毒化したウイルスが体内で増えて自然感染に近い反応を起こすため、液性免疫と細胞性免疫が誘導されます。
- ⑵ 破傷風トキソイドは生きた菌を弱毒化したもので、1回の接種で生涯にわたる免疫が得られる。トキソイドは毒素を無毒化したもので、免疫を保つには追加の接種が必要です。
- ⑶ 抗毒素血清は、接種した人自身のB細胞に免疫の記憶をつくらせる能動免疫である。抗毒素血清は他の動物などがつくった抗体を与える受動免疫で、効果は一時的です。
- ⑷ インフルエンザHAワクチンは、ウイルスの遺伝子を細胞に送り込み、体内でたんぱく質をつくらせる。HAワクチンはウイルスを分解して表面のたんぱく質を取り出した不活化ワクチンで、遺伝子を送り込むものではありません。
- ⑸ 不活化ワクチンは体内で病原体が増殖するため、免疫不全のある人への接種は避ける。体内で病原体が増えるのは生ワクチンで、不活化ワクチンは免疫不全のある人にも接種できます。
解説
正解は⑴です。麻しん風しん混合ワクチンは弱毒化したウイルスを用いる生ワクチンで、体内で増えて自然感染に近い反応を起こし、長く続く免疫を誘導します。そのため免疫不全のある人や妊婦には原則として接種しません。トキソイドは無毒化した毒素で追加接種が必要です。抗毒素血清は抗体そのものを与える受動免疫で効果は一時的です。インフルエンザHAワクチンは表面たんぱく質を用いる不活化ワクチンです。
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