80歳の男性。一酸化炭素中毒で高気圧酸素治療を受けることになった。病棟の薬剤師は…
80歳の男性。一酸化炭素中毒で高気圧酸素治療を受けることになった。病棟の薬剤師は、治療のしくみを理解するため、気体の溶解や溶液中の物質の移動に関わる性質を整理した。記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- ⑴ 界面活性剤を水に加えると、水の表面張力は加える前より大きくなる。界面活性剤は表面に集まって、水の表面張力を小さくします。
- ⑵ 一定の温度で液体に溶ける気体の量は、その気体の分圧に比例する。ヘンリーの法則で、高い気圧で酸素の分圧を上げると血液に溶ける酸素が増えます。
- ⑶ 気体の水への溶解度は、一般に温度が高くなるほど小さくなっていく。温度が上がると気体の分子の運動が活発になり、液体から逃げ出しやすくなります。
- ⑷ 溶液の粘度が高いほど、溶けている物質の拡散係数は大きくなる。粘度が高いほど分子は動きにくく、拡散係数は小さくなります。
- ⑸ 拡散による物質の移動の速さは、濃度の勾配が大きいほど小さくなる。フィックの法則では、拡散の速さは濃度の勾配に比例して大きくなります。
解説
正解は⑵と⑶です。一定の温度で液体に溶ける気体の量は、その気体の分圧に比例し、これをヘンリーの法則といいます。高気圧酸素治療では、酸素の分圧を高めて血液に溶ける酸素の量を増やします。気体の溶解度は温度が高いほど小さくなります。拡散の速さは濃度の勾配に比例し、粘度が高いほど拡散係数は小さくなります。界面活性剤は水の表面張力を小さくします。
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